久米 信廣の 「道」 254号~275号/新・「道」 276号~309号

 

番外編2

「番外編」

他方を知っていて一方を知らない


一を識りて二を知らず
(一つのことだけを知っていて、その他のことを知らない。知識や考え方が極めて狭いたとえ)

【荘子】


続・性格は変えられない?!
「心に善悪有りや否や」との問いに答えた興味深い言葉がある

「天にあてはめれば『命』といい、
 物にあてはめれば『理』といい、
 人にあてはめれば『性』といい、
 一身にあてはめれば『心』という

 このように実質は、一つである
 心は元来が善でありそれが心の働きに現れると
 善ができ不善ができる
 心の働きが外に現れる場合は、
 “情”という事はできても“心”とはいえない
 例えば、水は水といえるだけである、
 しかしそれが流れ出し支流を作り東や西に行ったりすれば、
 水といわず“流れ”と言うようなものである」

私達がいう性格とは「感情や意志」を指している
感情とは、喜び悲しむ心の働きであり
意志とは、積極的に目指す心の働きである

ここで早くも性格は、二つに分かれている
荘子のいう「一を識りて二を知らず」とは
一方だけを知っていて他方を知らないことを戒めた言葉である

ということは、他方を知っていて一方を知らないこともある
いわゆる「性格を変えられない」
と言っている人は他方に明るく、一方すなわち自分に暗い人なのかも知れない

この場合においても「性格は変えられない]というでは、
もう一方を知ればどうなるのか?新たな性格が現れてくるということにならないのか

さて貴方は、今も 「性格はひとつ」と想いますか?


 

追加情報

  • 引用: RBAタイムズ 番外編2(2007)