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記者が選んだ2011年ベスト3マンション

 野村不動産「プラウド」シリーズ

三菱地所レジデンス「パークハウス吉祥寺OIKOS」

積水ハウス「グランドメゾン伊勢山」


「プラウド東雲キャナルコート」屋上庭園(完成予想図)

 記者が選んだ2011年ベスト3マンションは、野村不動産「プラウド」シリーズ、三菱地所レジデンス「パークハウス吉祥寺OIKOS」、積水ハウス「グランドメゾン伊勢山」に決定した。「プラウド」は年間を通じてマンション業界をリードした。野村不動産は3年連続の選定。「パークハウス吉祥寺OIKOS」は全9戸の小規模ながら、マンションの概念を変えた商品企画が光った。「グランドメゾン伊勢山」は、全99戸の平均専有面積が162uというマンションの常識を覆す同社しかできない企画をたたえたい。

(記者が選んだ2011年ベストマンションは後日発表します)

事業スピード、商品企画力で他社をリード 野村不動産 

 「プラウド」人気はいまに始まったわけではないが、今年も年間を通じて業界を席巻した。1月に市川駅から徒歩5分で坪単価 250 万円という強気の価格設定で「プラウド市川一丁目」(67戸)をほぼ即日完売すると、震災後は5月に「プラウド大井ゼームズ坂」(164戸)を、坪単価121万円という圧倒的な価格の安さの「プラウドシティ稲毛海岸」(全425戸)1期222戸を、駅前再開発の「プラウドタワー相模大野」(308戸のうち分譲戸数264戸)1期220戸と「プラウドタワー武蔵浦和マークス」(309戸のうち分譲戸数280戸)1期210戸をそれぞれ即完。

 このほか、坪400万円を突破した低層3階建ての「プラウド上原」(58戸) 、「プラウド杉並和田」(133戸)も早期完売した。「プラウド駒場」(223戸)もいい物件だ。

 さらに、年末には東日本大震災の影響で逆風が吹き荒れた湾岸∞タワー≠ノもかかわらず、「プラウド東雲キャナルコート」(全600戸)1期250戸を即完した。防災対策を強化し、東京都の「マンション環境性能評価」制度で初の「三つ星」(5つの評価項目ですべて満点の星15個)を獲得した。坪単価240万円という価格設定も絶妙だった。

 これらの物件はほとんどがリーマンショック後に仕入れたり事業参画したものだろうし、事業スピードでも市場調査力、商品企画力でも他社を大きくリードした。

野村不動産「プラウドタワー東雲」1期250戸が即完(12/12)

希少の文教エリア 野村不動産「プラウド駒場」(11/29)

野村不動産「東雲」 タワー&湾岸の復権の牽引車(9/30)

全戸ワイドスパン 野村不「プラウドタワー武蔵浦和」(9/27)

野村不動産「プラウドタワー相模大野」1期220戸が即完(9/6)

環境・価格…子育て条件揃う野村不「プラウド杉並和田」(9/2)

野村不動産「プラウドシティ稲毛海岸」1期222戸が即完(6/8)

垂涎の的の低層3階建て 野村不動産「プラウド上原」(4/25)

野村不動産「プラウド市川一丁目」 全67戸一挙完売へ(1/14)

マンションの概念を変えた「パークマンションOIKOS吉祥寺」


「パークハウスOIKOS吉祥寺」

 わずか9戸の規模なのに「パークハウス吉祥寺OIKOS」を選んだことについては、異論・反論もあるかもしれないが、記者は分譲された時点で「ベスト3」にしようと決めていた。

 詳細は別掲の記事を参照していただきたいが、マンションの概念を変えたマンションだ。外観もユニークだし、駐車場を設置しなかったのには快哉を叫んだ。駐車場のないマンションなど最近はほとんど皆無だろう。 

 真偽のほどは定かでないが、同社(当時三菱地所)が1969年、最初の分譲マンション「赤坂パークマンション」を分譲した際、そのネーミングに「そうだ。確かにマンションには駐車場(Park)が必要だ」と当時の幹部が語り、そのままずっと「パークマンション」のブランド名を採用されてきたと記者は聞いている。その同社が駐車場のないマンションを分譲するのは痛快ではないか。

 そして何よりいいのは、住空間がアートそのものということだ。コンクリート打ち放しでできるセパ穴は普通モルタルで埋めるが、同社はその穴にビスが埋まるようにし、自由自在にものを掛けられるようにした。もちろん家具の転倒防止にも役立つものだし、何も掛けなくても規則正しく並んだセパ穴は美しい。日本不動産学会の業績賞を受賞したのも当然だ。

三菱地所レジデンス「パークハウス吉祥寺OIKOS」 不動産学会の受賞に思う(10/13)

平均162u マンションの常識を覆した「グランドメゾン伊勢山」


「グランドメゾン伊勢山」

  「グランドメゾン伊勢山」は、マンションの常識を変えた画期的なマンションだ。平均居住面積の広いマンションとしては、120uだった三井不動産レジデンシャル・伊藤忠都市開発「パークシティ東京ベイ新浦安」(全701戸)や100uだった日本綜合地所「レイディアントシティ横濱」(全1805戸)が印象に残っているが、今回は何と162uだ。全体の戸数が数十戸なら分からないではないが、99戸という大規模なものだ。

 まずマンションデベロッパーだったら、このようなマンションは販売リスクも大きいから絶対といっていいほどつくらない。積水ハウスだからこそできたマンションだ。こうしたケタ外れのことをするからこそハウスメーカーのトップ企業として大きな支持も受けるのだろう。

億ションの歴史を変えた積水ハウス「グランドメゾン伊勢山」(5/13) 

(牧田 司記者 2011年12月21日)