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希少の文教エリアに立地 野村不動産「プラウド駒場」


「プラウド駒場」完成予想図

 野村不動産(事業比率80%)とトヨタホーム(同20%)が12月3日まで1期分譲140戸の申し込み登録を受け付ける「プラウド駒場」を見学した。

 物件は、井の頭線駒場東大前駅から徒歩5分、又は田園都市線池尻大橋駅から徒歩12分、目黒区大橋2丁目に位置する9階建て全223戸の規模。1期140戸の専有面積は60.26〜136.38u、価格は5,790万 〜19,950万円 (最多価格帯7,600万円台)、坪単価345万円。竣工予定は平成24年8月下旬。施工は前田建設工業。

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 駒場東大前駅圏のマンションといえば、バブルの発生のころに朝日建物が分譲した竹中工務店施工の「朝日マンション駒場」(162戸)があり、今から10年前ぐらい前に住友商事が分譲した「駒場ハイムデュークガーデン」(38戸)も印象に残っている。

 前者は、今回のマンションのすぐ目の前だ。当時の坪単価は400万円を突破していたが、瞬く間に売れたのを覚えている。分譲月内に完売したのではなかったか。バブルの絶頂期なら坪単価は1,000万円はしたはずだ。後者は東大駒場キャンパスにも近い第一種低層住居専用地域に位置しており、坪380万円ぐらいだった。レベルの高いマンションで人気になった。

 最寄り駅は駒場東大前ではないが、今回の同社のマンションの近くには鹿島建設が2006年に分譲した官舎跡地のマンション「MASTERVIEW RESIDENCE」(241戸)がある。坪単価は410万円で、約半数が億ションだった。こちらも極めてレベルの高いマンションだ。

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 これらのマンションと単純に比較することはできないが、今回の物件も極めて希少性が高い。モデルルーム見学は、同社広報部マネージャー・北井大介氏に案内してもらったのだが、北井氏は広報部に異動になる前までは販売を担当していた。多くの都心の物件を担当しているが、この物件について、「敷地は約7,800uありますが、これほど広い敷地は最近はまず仕入れられない。生活利便施設が乏しく、住宅地として超一流とはいえないかもしれませんが、文教地区としてこの環境が将来にわたって担保される意味では得がたい個性的な立地。アッパーファミリーにお勧め」と熱っぽく語った。

 北井氏にはこれまでいくつか物件を案内してもらっているが、仕入れから商品企画−販売までほとんど全てを把握している。これも同社が「製販一体」体制を敷いているからだ。それぞれが連携できるから、その土地の価値を最大限に引き出せる。「プラウド」ブランドの強みはここにある。

 設計には、同社も売主だった「ザ・ハウス南麻布」と同じ三菱地所設計を起用。淡島通りに面したエントランスは3層とし、外周と中庭に7つの「杜」を配しているのが特徴。共用施設にも力を入れており、ゲストルーム、アトリエブース、パーティルームなどを整備する。

 設備仕様は、他の「プラウド」と同じだ。玄関床、キッチン天板などは自然石を採用。引き戸はソフトクローズ。ペントハウスタイプはグレードアップ仕様になっており、天井高は2,600ミリ。「朝日マンション駒場」が道路を挟んで隣接している。


エントランス(完成予想図)

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 単価設定も巧みだ。これが坪 400 万円を突破するようだと、苦戦は免れないだろう。1期分譲として140戸も供給できるのは、ターゲット層のアッパーミドル・アッパーファミリーにぴったりだからだろう。最寄り駅は駒場東大前か池尻大橋だが、渋谷駅までのバス利用が便利だ。バスは頻繁に運行されているし10分もあれば着くし、歩こうと思えば歩ける距離だ。それで坪345万円はいかにも安い。

 いかにも文教エリアらしい喫茶店が物件の目の前にある。「音楽喫茶 カフェ・アンサンブル」だ。取材の時間が余ったので、入ってコーヒーを飲んだ。キリマンジャロたったかブルマンだったか1杯500円。店内にはクラシックが流れていた。古い蓄音機とともにグランドピアノも置かれていた。CDを含めたレコード盤は約3,000枚。希望の曲も流してくれるそうだ。ミニコンサートにもよく利用されるのだというが、「店にはお金持ちはあまりいらっしゃらない」とのことだった。


オーナーズラウンジ

鹿島建設がまた記念碑的マンション 「MASTERVIEW RESIDENCE」(2006/9/12)

(牧田 司記者 2011年11月29日)