久米 信廣の 「徹」

 

天地人の三才と目標

地球環境を考慮した判断基準
人を敬し 場を綺麗に 約束を守る
 
 
 私たち人間が生きていくということ、それは私たち、すなわち生命が活動するということです。生命維持のために息をし、食事をし、喜怒哀楽し、夜になって床につくという活動の繰り返しが生きていくということです。その私たち人間の活動の場所、私たちの故郷、それは地球なのです。  この地球は「天地人の三才」で表わされます。「才」は働きといっていいでしょう。天の才は、私たちに見えない天の理です。そして地球上において見える天道となってあらわれ、宇宙を創っています。地の才は、私達に見えない地の理です。そして地球上において見える動植物の発育から死滅までというライフサイクルという形であらわれます。人の才とは、小宇宙のようにバランスを保ち続ける身体です。それは天の理と地の理を抑え、また進展させて、人の道となって、倫理となり、人倫となります。
 
 
 人の道とは、「地球という環境」を形成する空間と、「命としての経過」を形成する時間と、「人と人との関係」による人間のバランスなのです。そのような私たちが活動する地球という環境に、経済的発展という名のもとに、地球という環境への敵対的行為がまかり通って展開されているのです。そして、一人の人間としての幸せは、他者との戦いの末に勝ち取るもの、という思い込みが蔓延した結果、地球時間を無視した人間、観念的時間に生命をのせることが生きることのように錯覚した病める人間を生み出してしまっているのです。
 このような現代社会の病巣ができた原因は、目的であれば何だっていい、今置かれている環境から導き出してくるものであれば問題はないといった目的観にある、と私は思います。前号で書いたように、目標があればその目標はなんでもよいということにはなりません。だからこそ、古くからの人類の知恵としての「天地人三才」から導き出されたものを、目的を設定する時の判断基準にするのです。それは、地球環境を考慮した判断基準をもつことなのです。いや、もっと積極的にいえば地球環境を乱さないという判断基準、地球というリズムにのった判断基準に則るといったらいいでしょう。
 そこで、私たち第三企画は目的を掲げるとき、他者と協力することを前提にする、地球を含めて生命というものを信頼する、違いを認め合い尊重し合う、以上を業務の根底に置いています。これはまさに第三企画の哲学、経営哲学なのです。その哲学を日常の行動に落とし込むと、具体的には、人を敬し気遣い、場所を綺麗にし、約束を守るという3つの行動原則に集約されます。この哲学と原則の上に目標・目的が展開されているのです。
 
 

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  • 引用: RBAタイムズ 2013.06 326号