久米 信廣の 「徹」

 

「四徹」と「第三ワールド」

平凡で些細なことをやり抜く
やり抜く「その人」こそが「明かり」
 
 
 第三企画という会社は変わっている、とよく言われます。それは私たちが、どんな会社でもできることを、どんな会社にもできないレベルでやり抜こうとしているからではないでしょうか。
 私たちは、創業から今まで、頑なに守ろうとしてきたものがあります。それが「四徹」です。それを核にして会社経営をしてきたので、皆さんには「変わった会社」と受け取られるのかもしれません。
 
 
 第一の徹は、「恩を知り、恩に報いることに徹する」ことです。人間は一人では生きられません。私たちが生きるということは、誰かのお世話になっているという証なのです。私たち人間は弱い生き物であるからこそ、群れて社会を形成しています。この社会に私たちが今在ることを認識し、そして生きるために受けた恩を感じることが、生きた分だけ成長することに繋がります。世間的な言葉でいえば、利他の振る舞いができる人間になるということです。
 
 
 二つ目の徹は、「努力することに徹する」ことです。第三企画では仕事を、成長へ向けての「努力の機会」と捉えます。だから、努力することを惜しまないのです。力の限り努力に徹するのです。全力主義といってもいいでしょう。
 
 
 第三の徹は、「素直な心を維持することに徹する」ことです。今年の入社式でも、このことに触れました。素直な心を維持する、それに徹するということは、徹底して模倣し、そして創造に行き着くまで徹底的にやり切ることをいいます。頭では良いと思いながら、行動に移らず無為に時間を過ごすことは、許し難いことです。素直な心を持っていれば、人の言うことを聞き、良いと思ったことについてすぐに行動に移します。その姿勢が「模倣から創造」への過程であって、第三の「徹」の基本姿勢です。もちろん、予想していた結果が出れば、直ぐに続きをやります。この繰り返しを徹底してやるのです。
 
 
 四つ目の徹は、「礼儀正しく挨拶に徹する」ことです。なにより自分から、姿勢を正し、面から、笑顔で、明るく、元気に、心から楽しくなるような挨拶をすることに徹します。その行為を第三者から見ると、その人らしい振る舞いと映るので、名は体を表す(名を正す)こととなるのです。これが第四の「徹」の目的なのです。
 
 
 私たちは、この四つの「徹」を核にして、誰にでもできる平凡で些細なことを、誰もができないくらい徹底してやり抜きます。この個々人の生き様こそが、理念で謳う人の前に灯す「明かり」となるのです。それを追求し実現する場は、一つの会社組織という枠を越えた、公私を併せ持つ世界です。そこでこの場のことを「第三ワールド」と表現しています。
 
 

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  • 引用: RBAタイムズ 2012.09 322号