えきでんコラム 「想」 - 家族・住まい・街 -

 

「志」ある社員を育てる

人材教育こそ発展の礎
東急リバブル㈱
取締役 専務執行役員 流通事業本部長  平元 詢二 氏



えきでんのたすきを三菱地所リアルエステートサービス勝間田様からいただきました。勝間田様はテレビの龍馬伝から岩崎弥太郎のお話をされたので、私は龍馬伝を人材育成というところから見たいと思います。


龍馬をはじめ幕末の志士たちは、自分の所属する藩の利害得失もさることながら、それを超えたところに日本のあるべき姿を求め、勉学をし、切磋琢磨し、行動もおこしました。藩を会社に置き換えれば、単に会社の業績を上げることに貢献するだけでなく、社員一人ひとりが自己実現のために成長し続け、それが社会全体の発展につながるから、そこに社員たるものの価値があるのではないでしょうか。幕末の志士の「こころざし」は、正に『「自己の成長とリバブルの発展」「社会貢献」を実現する』という当社の基本理念と軌を一にするものといえます。
手前味噌かもしれませんが、「リバブルの社員は違う」というお褒めの言葉を頂戴しています。これは、私どもが以前から取り組んできた「不動産のコンシェルジュ」育成という人材教育の効果が現れてきたものかもしれません。まだ道半ばというところですが、当社の理念に沿って、「お客様の満足と感動」を実現しようと努力しているところです。


「東急リバブルって、どんな会社」と問われたとき、売上高とか利益とかの数値だけでしか答えられないのはいかにも寂しい。ネットの普及で不動産仲介の仕事もずいぶん変わってきましたが、基本的にはフェース・ツー・フェースです。そして、不動産の仲介にとどまらず、衣食住のあらゆる分野でお客様のニーズに対応できるようにすべきでしょう。
フェース・ツー・フェースといっても、その相手がお客様だけというわけではありません。社内の上司、同僚、部下に対するコミュニケーションもこれが基本でしょう。最近、ややともすると面と向かって間違いを指摘しない上司、自分の思いをきちんと述べるより衝突をさけようとする部下を見受けます。何かにつけて目立つのを怖がる風潮があるように思います。根底に相手に対する関心と愛情があれば衝突してもこじれることはありません。そういう社員を作ることも大切な人材教育と考えています。


いずれにしても、幸せな世の中にするために日本を変革していこうと行動した坂本龍馬のように、強い気概をもって仕事に取り組む人材をどれだけ育てられるか、そこに会社や業界の明日があると思います。

 

 

追加情報

  • 引用: RBAタイムズ 2010.11 312号