えきでんコラム 「想」 - 家族・住まい・街 -

 

「街」を通じて社会貢献

夢、感動の共有目指す
三菱地所リアルエステートサービス㈱
取締役副社長執行役員  勝間田 清之 氏



本年三月より、日本不動産野球連盟(RBA)顧問を仰せつかったご縁で、「えきでんコラム」に寄稿させて頂く事になりました。少々三菱グループの宣伝になるかもしれませんが、お許し願います。


福山雅治さんが坂本竜馬役を演じる、NHK大河ドラマ「竜馬伝」はご存知の方も多いと思います。坂本竜馬に関する話は沢山ありますが、岩崎弥太郎の視点から創られているのは珍しく、俳優の香川照之さんが豪傑な岩崎弥太郎役を演じているのも新鮮に感じます。岩崎弥太郎が三菱を興した実業家である事は、説明するまでもありませんが、弥太郎は、士族出身者が多い三菱の社員に対して、温和な顔つきでお客様に接する事を心がけさせるために店頭に掲げたという、「おかめの面」が現存します。
私たちは不動産という仕事を通じて、どうすればお客様お一人お一人に喜んでいただく事ができるか。幸せになっていただけるか。夢や感動を感じていただけるか。絶えずその答えを追い求めていますが、その根底にあるのは、私たち一人ひとりも仕事を通じて、夢や感動を共有できるような職場環境を育んでいく事だと思います。それは弥太郎の掲げた「おかめの面」に通じるかもしれません。


三菱地所グループのブランドスローガンに「街を、想う」とありますが、「街」に関わりを持ち、「街」を通じて社会に貢献するために、これからも「街」を舞台として、新たな価値創造や環境との共生に挑戦して行く姿勢や意思を集約しています。
丸の内という「街」には、様々な歴史が刻まれていて、幕末には、松平相模守などの大名屋敷がたちならんでいましたが、明治維新後は兵部省などが連なる政府所有地でした。それを三菱は政府より一括購入して、地震に耐える堅牢な事務所街を築き上げました。三菱一号館は、丸の内に建築された初めての西洋式事務所建築でした。幕末、土佐藩の海運業を任せられた岩崎弥太郎は、明治維新後に事業を引継ぎ、海運業以外にも造船、銀行、保険、不動産と様々な事業に着手、拡大させました。同時に岩崎家と三菱は、事業だけではなく、文化・芸術とも深い関わりを持ちます。
 

本年四月、丸の内という「街」に三菱一号館を復元した美術館がオープンしました。三菱一号館美術館では十一月三日まで、「三菱が夢見た美術館~岩崎家と三菱ゆかりのコレクション」が開催されています。 
丸の内という「街」は、煉瓦建築の並ぶ「街」から、高層ビルが建ち並ぶ「街」へと変革を遂げていますが、当初から既に将来の都市形成を思い描きながら創られてきたと思います。
 

 

追加情報

  • 引用: RBAタイムズ 2010.10 311号