久米 信廣の 「眞」

 

RBAと第三企画

仕事は人格陶冶、己を磨く道具
ただ「立つ」のでもRBAらしく


RBAのスタッフは黄色いシャツを着てグランドに立ちます。炎天下でも、砂埃が舞い上がる強風のなかでも立ってもらっています。私自身そのように立ち、スタッフの皆にも立ってもらってきました。それは、ただ立っているRBAのような仕事でも、それでも仕事の第一人者になれる、そう確信して心を決めてきたからです。 確かに、立つことは誰にでもできます。でも、RBAらしく、美しく、青春を思い出してもらえる立ち方はそう簡単にできるものではありません。好感をもたれる立ち方をしよう、そのように立つことがRBAにおける私の仕事だ、だったら、プロフェッショナルの立ち方をするのが自分の仕事だ、そう強く決心しました。


そこで、先ずはヒルトンホテルの人達をまねることから始めました。ホテルマンとしての彼らではなく、青年らしく、青春らしく、最高の立ち方をしている見本として、いかに彼らに近づけるかを考え、工夫を重ねてきました。ヒルトンの宣伝をするわけではありませんが、彼らは素晴らしい立ち姿をしています。彼らは最高のサービスを提供する準備ができているのです。私はそういう彼らを立つ模範と考えました。だから、RBA野球大会の抽選会の会場はいつもヒルトンです。(中国大使館で抽選会をした例外はありますが)


立つという一見単純なことを一流の仕事にするのは、RBAの活動にとどまらず、どのような仕事でも共通して大切なことなのです。立つこと、コピー一枚とること、このような仕事であっても、その人の仕事への姿勢が現れますし、心が投射されて炙り出されることになるのです。腰掛け的な気持ちでいたのでは社会人として成長はあり得ません。どのような仕事でもあっても、組織においてはなくてはならない大事な仕事なのです。その仕事をやり切ることで成長できるのです。ただ給料を貰うためだけに仕事をするのではなく、自分を輝かせるため、人間修業のための仕事であるべきなのです。どんな仕事であっても完璧に成し遂げるための努力、創意工夫が必要なのです。第三企画で私はそのように社員に訴え、指揮を執ってきました。23年に及ぶRBAの「立つ」という活動をやり続けてきたなかで、私自身、気づくことができました。

何事においても、何かによりかかったり、すがったりするのではなく、自分の足できちんと立とうとすることが人生の基本なのです。ですから、これからも、仕事は人格を陶冶するものであると捉え、仕事は自分を磨く道具だと捉え、どんな単調でつまらない仕事であってもそこに豊かな意味を見いだし、真剣に、誠実に、全力であたっていきます。

 

 

追加情報

  • 引用: RBAタイムズ 2011.11 318号