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 木造耐力壁ジャパンカップC

早大新谷研究室「めりこみ少女」は選外


「めりこみ少女」(左)と「紬」

 木造耐力壁ジャパンカップで、意匠・デザインで優れていると記者が思った早稲田大学新谷研究室の「めりこみ少女 ver.2.03」は選外となり、スタッフは「評価が低い」とがっくりと肩を落とした。

 めりこみ少女≠ネどとどこか隠微、かつ卑猥なネーミングにも惚れたのだが、説明書きには「板厚6oのベニヤを3本の柱の間を縫うようにして曲げて嵌め込むことで剛性を確保ている。ベニヤの互い違いの曲面と簡易な接合方法がこの壁の最大の特徴」とあるように、すき間から光と風を通し、背後にあるものの気配を感じ取れるものだ。大真面目の耐力壁だった。「魅せる壁」といってもよい。

◇    ◆    ◇

 しかし、スタッフの意図、狙い、洒落は審査員の心には響かなかったようだ。試合でも「紬」に準々決勝戦で完敗した。

 記者は、審査員が「新谷さんのところは昨年も受賞している」と評したのを漏れ聞いた。つまり審査員には「独創性がない」「2番せんじ」と映ったのだろうか。ポラスの関係者も「うちが今年もグッドデザイン賞をもらったのとよく似ている」との声も上がった。昨年も同じようなデザインだったのだろうか。だから「ver.2 」となったのだろう。

 ベニヤで剛性を高めようというのもやや無理があったか。しかも、ベニヤは環境負荷値では、国産材や竹の50(円/s)の10倍以上の600(円/s)となっている。どうして竹を使わなかったのか。来年は竹でチャレンジしてほしい。

  
「めりこみ少女」


新谷研究室スタッフ(中央の女性はゼネコンの構造設計を担当する部署への就職も決まったという)

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(牧田 司 記者 2011年10月11日)