2018/02/28(水) 17:17

新刊本 強い会社は軸がブレない

 

成功をもたらす経営のヒント

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著  者/篠原 勲

仕  様/四六判・296頁

定  価/本体1,500円+税

発行・発売/第三企画出版

ISBNコード/ISBN978-4-908272-09-7 C0034

 

◆主な内容

 「天災は忘れた頃にやってくる」とは物理学者・随筆家の寺田寅彦の言葉である。もっとも、油断大敵の対象は天災だけではない。「不況・恐慌は忘れた頃にやってくる」のであり、「しょうもない社長は、突然、社内に人災を惹き起こす」のも忘れてはなるまい。

 地球の地軸は23・4度傾いている。この地軸の傾きで、地球には四季があり、南極と北極がある。しかし、もしこの地軸の角度が変わったらどうなるのか。気候や生態系の激変をもたらし、地球は壊滅的ダメージを受けるに違いない。

 「軸」が変わると、会社の場合もとんでもないことになりかねない。「社長が変わると会社が変わる」という。「会社は社長の器量次第」なのはその通りだが、自信過剰から地位と権力を握った途端にやりたい放題の「リストラクチャリング」「成果主義」「選択と集中」「ディスラプション(創造的破壊)」だと言って、受け売りの旗を振りかざし会社を逆に窮地に追い込む社長が後を絶たない。それまで営々と築いてきた会社の伝統や風土、さらには会社の基礎・基盤となってきた事業までも軽視する。イエスマンを重用し、大切な社員をクビにする。愚かな社長は会社の「軸」を大きく狂わせてしまうのだ。

 近年の日本企業の相次ぐ不祥事は、本当に残念なことである。不祥事の起こる原因は何か?それは、短期間に利益を追求する「アメリカ型経営」にあると著者は指摘する。そこには、日本経済を破綻させようとする悪意すら垣間見える。「会社は株主のためにある」という欧米型の発想が全ての悪因と言っても過言ではない。

 著者は、その永年の研究成果から多くの企業を例にとり、不祥事を起こした原因を分析して、現在の経営陣に警告を発している。さらに、地道に企業努力を続けているNPS研究会を基盤とする経営優等生会社集団の実例を紹介し、軸のブレない経営の重要性と、欧米型ではなく、日本型の「調和」を尊ぶ経営方式が如何に優れており、人々の幸福につながるものかを証明している。

 現代の経営者に対する警告と、人々を幸福にする経営の指針を明確に示した必読の書である。

 

◆著者紹介

篠原 勲:企業文化研究所理事長。1942 年、東京新宿生まれ。

明治大学政治経済学部卒業。東洋経済新報社入社、会社部長、

『会社四季報』編集長、『オール投資編集長』『週刊東洋経済』論説委員、

編集局次長、取締役営業局長・取締役広告局長、出版局参与を経て、

立正大学講師、鳥取環境大学教授、NPO法人OSI研究会理事長。

清松コンサルタント日本代表(本社・ベトナム)。