2016/04/04(月) 00:00

英国紳士 vs. 日本武士

「武士道」&「騎士道」の歴史学

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著    者/川﨑 享

仕    様/四六判・308頁

定    価/本体1,700円+税

発    売/創英社・三省堂書店

ISBNコード/ISBN978-4-9906994-9-9 C0012

 

◆主な内容

本書は、「英国紳士」と「日本武士」の比較から、「サムライにしてジェントルマンたれ」と、尊敬される男の「生き様」とは何かに、ズバリ切り込んだ人間学である。

日本でサムライの心や雰囲気を持ったような人物がいなくなり始めたのは、バブル時代の頃からであった。一方で「騎士道精神」の流れを汲む「英国紳士」も、東西冷戦時代からその生存空間を失い続けてきた。高潔で品性があり、シャイで皮肉屋、ちょっと気取っていてもフェアでクールな「英国紳士」は、もうロンドンで見掛けることがほとんどない。

急激で強大なグローバル化の波が、日本だけなく伝統を重んじると信じられてきた英国においても金銭の多寡、稼ぐ力が社会における人間の優劣や強弱の判定基準となり、古来の美風や精神が人間の価値として重視されなくなってしまったからである。

 「日本武士」と「英国紳士」としての「心構え」や「気構え」が廃れつつある現在、この古き良き気風の喪失をそのまま見過ごしてしまうのか、そこから何かを改めて学び直して次世代へ伝えるのか、私たちは重要な分岐点に立たされているのである。日本が政治経済・外交・家庭生活などについて滅亡の危機に立つ前に、現代の日本人は「武士」の心と精神を子孫に伝え残さなくてはならないのである。

本書は、「紳士たれ」「男らしく堂々たれ」を説き、日本と日本人の将来の生き方を示す心に残る一冊である。

 

◆著者紹介

昭和40(1965)年 東京都渋谷区生まれ。

慶應義塾大学経済学部卒業。

ミシガン州立大学大学院史学修士課程修了(中国研究・国際政治)。

電機メーカー及びコンサルティング会社の役員を経て平成25年5月より日本製造業による異業種集団であるNPS研究会を運営する㈱エム・アイ・ピー代表取締役社長。

近著に「木下幹彌・川﨑享著『モノづくりと武士魂』(第三企画出版、2014年)」がある。