モノづくりと「武士魂(もののふだましい)」
NPS戦略経営の人財育成 |
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著 者/木下幹彌・川﨑 享 仕 様/四六判・376頁 定 価/本体1,800円+税 発 売/創英社・三省堂書店 ISBNコード/ISBN978-4-9906994-8-2 C1034
◆主な内容 アベノミクスによる景気刺激や2020年の東京オリンピックを控え、久しぶりに景気回復の期待がもたれている。しかし、少子高齢化社会は、徐々に日本の活力を奪い、人口減の本格化で2030年代に日本は先進国から脱落し、世界における存在感は一気に低下するとの見方もある。日本が輝きと活力を維持するために今、何が必要なのだろうか。 「NPS研究会」とは、トヨタ生産方式を源流にそれを発展させたモノづくりの経営思想により、「日本の優れた製造業を後世の世の中に残すことを使命とする世界に例を見ないユニークな企業集団」である。そこには、約50社に上る大企業・中堅企業が参加している。いずれも様々な異業種におけるトップ企業が、同志的結合の下に互いに切磋琢磨し「ジャスト・イン・タイム」「多品種少量生産」「あらゆるムダを無くす」「全社展開による効率経営」などを目指してきた。30年の歴史の中で多くの高収益企業が育ち、これらの企業群が明日の日本経済を担っていくことは疑いない。 本書は、安い海外の労働力を求めてますます「空洞化」していく日本の現状を憂い、300年後においても毅然たる日本国家が成り立つためには、雇用吸収力の大きい「製造業」を強化して、生き抜き勝ち残るべきだと言う信念に基づき書かれたものである。従来は、NPSグループ内で秘密のベールに包まれていたモノづくりのための改善の手段・方法、経営戦略を随所に明らかにし、そして「モノづくりはヒトづくり」との基本的な考え方から、ではどのように人財を育成すべきなのかなどのヒントも多面的に開示している。 古来より、「武士」のことを「もののふ」とも言う。このことから、NPS研究会では、「モノづくり」に真摯にかつ情熱を持って取り組む人たちのことを「モノのふ」と呼んでいる。「改善魂」は「大和魂」によって裏打ちされ、「日本の心」「武士道精神」に結びつく。無資源国・日本が、世界における生産立国・貿易立国として再び立ち上がるために、「モノづくり」を担う「モノのふ」の心を改めて見直すことが重要だろう。その意味で、本書は製造業に関わる多くの人たちはもとより、製造業の重要性をよくご存知ない方たちにぜひお読みいただきたい良書である。
◆著者紹介 木下幹彌(きのした みきや) 昭和4(1929)年10月13日 兵庫県神戸生まれ。 兵庫県立神戸経済専門学校(現・兵庫県立大学)卒業。 中央紡績㈱、日本シーラント㈱・代表取締役社長、ウシオ電機㈱・ 代表取締役社長を経て、昭和57年7月NPS研究会の運営母体である ㈱エム・アイ・ピー代表取締役社長、代表取締役会長兼社長、 平成25年5月より同社・取締役会長。 編著に「モノづくりの経営思想」(東洋経済新報社)
川﨑 享(かわさき あつし) 昭和40(1965)年4月28日 東京都渋谷区生まれ。 慶應義塾大学経済学部卒業、ミシガン州立大学大学院史学研究科修士 課程修了(中国研究・国際政治)。 鈴村喜久男・NPS研究会初代実践委員長の鞄持ちを務めた後、 電機メーカー及びコンサルティング会社の役員を経て、平成20年4月 ㈱エム・アイ・ピー NPS推進室長、取締役、専務取締役、 平成25年5月より同社代表取締役社長 |
新刊本 強い会社は軸がブレない
成功をもたらす経営のヒント | |
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著 者/篠原 勲 仕 様/四六判・296頁 定 価/本体1,500円+税 発行・発売/第三企画出版 ISBNコード/ISBN978-4-908272-09-7 C0034
◆主な内容 「天災は忘れた頃にやってくる」とは物理学者・随筆家の寺田寅彦の言葉である。もっとも、油断大敵の対象は天災だけではない。「不況・恐慌は忘れた頃にやってくる」のであり、「しょうもない社長は、突然、社内に人災を惹き起こす」のも忘れてはなるまい。 地球の地軸は23・4度傾いている。この地軸の傾きで、地球には四季があり、南極と北極がある。しかし、もしこの地軸の角度が変わったらどうなるのか。気候や生態系の激変をもたらし、地球は壊滅的ダメージを受けるに違いない。 「軸」が変わると、会社の場合もとんでもないことになりかねない。「社長が変わると会社が変わる」という。「会社は社長の器量次第」なのはその通りだが、自信過剰から地位と権力を握った途端にやりたい放題の「リストラクチャリング」「成果主義」「選択と集中」「ディスラプション(創造的破壊)」だと言って、受け売りの旗を振りかざし会社を逆に窮地に追い込む社長が後を絶たない。それまで営々と築いてきた会社の伝統や風土、さらには会社の基礎・基盤となってきた事業までも軽視する。イエスマンを重用し、大切な社員をクビにする。愚かな社長は会社の「軸」を大きく狂わせてしまうのだ。 近年の日本企業の相次ぐ不祥事は、本当に残念なことである。不祥事の起こる原因は何か?それは、短期間に利益を追求する「アメリカ型経営」にあると著者は指摘する。そこには、日本経済を破綻させようとする悪意すら垣間見える。「会社は株主のためにある」という欧米型の発想が全ての悪因と言っても過言ではない。 著者は、その永年の研究成果から多くの企業を例にとり、不祥事を起こした原因を分析して、現在の経営陣に警告を発している。さらに、地道に企業努力を続けているNPS研究会を基盤とする経営優等生会社集団の実例を紹介し、軸のブレない経営の重要性と、欧米型ではなく、日本型の「調和」を尊ぶ経営方式が如何に優れており、人々の幸福につながるものかを証明している。 現代の経営者に対する警告と、人々を幸福にする経営の指針を明確に示した必読の書である。
◆著者紹介 篠原 勲:企業文化研究所理事長。1942 年、東京新宿生まれ。 明治大学政治経済学部卒業。東洋経済新報社入社、会社部長、 『会社四季報』編集長、『オール投資編集長』『週刊東洋経済』論説委員、 編集局次長、取締役営業局長・取締役広告局長、出版局参与を経て、 立正大学講師、鳥取環境大学教授、NPO法人OSI研究会理事長。 清松コンサルタント日本代表(本社・ベトナム)。 |