RBA HOME> RBAタイムズHOME >2012年 > 江戸の「粋」と西洋の「エスプリ」を融合 三井不動産レジデンシャル「パークコート千代田富士見ザ タワー」 「パークコート千代田富士見ザ タワー」外観(完成予想図) |
三井不動産レジデンシャルは11月7日、千代田区富士見で開発中の40階建て再開発マンション「パークコート千代田富士見ザ タワー」の第1期販売を11月10日に開始すると発表した。「飯田橋駅西口地区第一種市街地再開発事業」の住宅棟として、国内外の名だたるデザイナーを招聘し、江戸と西洋の文化が交差する街を表現するため「粋」と「エスプリ」をデザインコンセプトにした出色のマンションだ。 物件は、JR総武線・中央線飯田橋駅から徒歩3分、千代田区富士見2丁目に位置する40階建て全505戸(事業協力者住戸80戸含む)。専有面積は42.51〜181.48u。1期255戸の価格は4,990万〜44,980万円(最多価格帯9,100万円台)、坪単価476万円。約半数がいわゆる億ション。竣工予定は平成26年3月下旬。設計は日建設計・前田建設工業、施工は前田建設工業。 9月からモデルルーム内覧会を行っており、これまで資料請求は約8,000組、来場者は約1,600組。千代田、新宿、文京区居住者を中心に広域から集客できており、約7割が持ち家層。世帯分離をきっかけに検討する人が多く、圧倒的な利便性のよさ、再開発物件、階高の高さ、神楽坂に近いことなどが評価されているという。 主な特徴は、@3駅5路線利用可能。外濠内側に位置A「千代田区」に誕生する、オフィス・商業棟、住宅棟などで構成される駅前大規模再開発事業B江戸の美意識「粋」と西洋の精紳「エスプリ」をコンセプトとした外観・共用空間デザインC多種多様な共用空間と多彩なソフトサービスD非常用自家発電機・蓄電池などの防災対策と様々な環境対応E快適な室内環境と高い居室有効性の実現−−など。 ◇ ◆ ◇ 土地の魅力を最大限に引き出し、なおかつ付加価値を導き出す同社の商品企画力はさすがというべきか。近接する2007年分譲の野村不動産「プラウドタワー千代田富士見」(414戸)も昨年分譲の安田不動産他「ワテラス タワーレジデンス」(333戸)もいいが、総合的な評価では今回のマンションに軍配を上げたい。 何から書いていいのか、書き出したらとまらなくなるほど魅力いっぱいの、すごいマンションだ。 何がすごいのか。まず、基本性能。このマンションは東京都の「マンション環境性能表示」制度で満点の星3つ(断熱性・省エネ性・太陽光・超寿命化・みどりの5項目で満点の星15個)を獲得している都内4物件の一つだ。このうち同社は「パークコート六本木ヒルトップ」(270戸 ) と「パークタワー東雲」(585戸)で星3つを獲得しており、4物件の中で今回のマンションとあわせ3物件目ということになる。これはすごいことだ。 標準階高が3,450ミリというのもすごい。正確なデータがないので何ともいえないが、記者の知る範囲では、野村不動産が数年前に分譲した「プラウド東五反田」が3,410ミリで、同社の「パークコート六本木ヒルトップ」が3,400〜3,450ミリだから、それを上回る階高ナンバー 1 のマンションといえるのではないか。階高が高いとどれだけ快適な居住空間が実現できるかについては省略するが、天井のサッシ、建具、ドアなどのラインが一直線になる。このマンションの浴室の高さは2,450ミリ。普通のマンションのリビングの天井高だ。
これだけでもすごいのだが、記者がもっと驚いたのは国内外の名だたるデザイナーを総結集したマンションである点だ。全体デザイン監修は「木材会館」を設計した日建設計の山梨知彦氏だ。山梨氏はわが国のこれからの建築物のデザインを一新すると記者は思っている。 ランドスケープ監修は芦原太郎氏で、ランドスケープはプレイスメディア、照明デザインはライティング プランナーズ アソシエーツ、サインデザインはエモーショナル・スペース・デザイン。芦原氏がデザインしたマンションは20数年前に見学してからファンになった。父の芦原義信を越えて欲しい。外濠側の「粋」と内濠側の「エスプリ」のデザインを変えているのが面白い。 住宅棟のインテリアを担当するのはハーシュ・ベドナー・アソシエイツ(HBA)で、照明デザインはワークテクト、ゲストスイートデザインは東利恵氏だ。 HBA はハイアットリージェンシー、リッツカールトン、マンダリン・オリエンタルなどのホテルデザインを担当している世界的なデザイン会社で、共用部の随所に七宝文様、江戸切子などのデザインを取り込んでいるのが特徴だ。東氏は星野リゾートの一連のデザインを担当している。 さらに住宅棟の石垣は、旧江戸城や熊本城などの城壁修復などを手がけている日日石材の石匠が担当し、専有部分のデザインは押野見邦英氏(「粋」)と鬼倉めぐみ氏だ。押野見氏は同社の「パークタワーグランスカイ」を手がけているが、記者はモリモトの成城学園、大井町、南品川などでも見学しており、その繊細なデザインにほれ込んでいる。鬼倉氏は同社の「千鳥ケ淵」や「麻布霞町」も担当しているから説明の必要もないだろう。 ここまで随分書いたが、モデルルームがまたいい。詳細は省くが、センのフローリング、エントランスの天井布クロス、紫檀のドアハンドル、天然石巾木、オニキス洗面ボウル、アントニオ・チッテリオデザインの水栓、センで統一した和室(以上181uの「粋」)、チーク材の突き板フローリング、ホワイトオーク材の建具、アルミ真鍮ガラスの多用、天然石モザイク貼り(以上90uの「エスプリ」)など、本物ばかりの素材が用いられている。「エスプリ」にはオプションのバカラクリスタルもたくさん用いられている。(バカラは価値が分からない。それより先日、薩摩切子を見た。一度でいいから薩摩切子のグラスで酒を飲んでみたい) ◇ ◆ ◇ まだまだ魅力はある。初回利用料15,000円、2回目以降10,000円が必要だが、東京女子医大と提携した「プレミアムメディカルサービス」も富裕層には受けそうだ。見守り&お知らせサービス「ミマモ」も有償だが受けられる。 地価の下落と株価の低迷で富裕層のふところもかなり痛んでいるが、けた違いの富裕層にとっては安い買い物か。億ションのコレクションとして追加するのもいいかもしれない。南向きも北向きもワイドスパンのプランがいい。 木造とコンクリートのハイブリッドがいい「木材会館」(2012/10/2) |
(牧田 司記者 2012年11月5日) |