RBA HOME> RBAタイムズHOME >2012年 >

野村不動産・三菱商事「プラウド船橋」 「駅から歩ける」強烈アピール


「プラウド船橋」完成予想図

 野村不動産と三菱商事は4月24日、船橋市で開発中の総敷地面積が約17.6ヘクタールの首都圏最大級の再開発プロジェクト「スマートシェア・タウン構想」「みら SATO」記者発表会を行った。三菱商事が街全体のマスターデベロップメントを担当し、野村不動産がマンション「プラウド船橋」を担当するもので、マンションのモデルルームオープンは4月28日。分譲は6月下旬。

 マンションは、総武線船橋駅から徒歩14分・東武野田線新船橋駅から徒歩1分・東葉高速線東海神駅から徒歩6分、船橋市北本町1丁目に位置する全1,500戸の規模。旭硝子の工場跡地。今回分譲する 一街区・二街区は10・11階建て全573戸。専有面積は70.68〜100.32u、価格は未定だが70u台で2.600万円台から。坪単価は150万円台になる模様だ。竣工予定は平成25年1月中旬。施工は戸田建設。全体の完成予定は平成26年度。

 発表会で挨拶した三菱商事開発建設本部都市開発ユニットマネージャー・高橋澄人部長は、「2010年12月に用地を取得してから旭硝子さんも含め船橋市と協議を進め、病院、商業施設などを備えた環境配慮型の街を目指すことになった。スマートシェア・タウンというコンセプトにしたのは、単にハードだけではなく、ソフト面も充実させて持続可能な街を目指したから。マンションは業界の雄、野村不動産さんと団結してできる限りの力を注いだ」と語った。

 また、野村不動産・問田和宏執行役員は、「価格・スペックも重要だが、プロセス、エモーションも大事。モデルルームは、お客様に未来の故郷をつくっていきたいという意図が体感できるようチャレンジした」と述べた。

 マンションと新船橋駅をはさんで隣接する5階建て延べ床面積約61,600uの「イオン船橋」は4月25日(水)オープンする。


メインストリート(完成予想図)

◇    ◆    ◇

 「スマートシェア・タウン構想」で打ち出された「5つのシェア」とは、@約2,500本の植樹を含めた地域コミュニティの育成を図るグリーン・シェアA省エネ対策や電気自動車対応区画200区画を備えるなどEV利用を促進する取り組みのエコライフ・シェアB共用施設のクラブハウスを中心とするラーニング・シェアC大規模病院を誘致するなど健康維持・向上に寄与するライフサポート・シェアD防犯・防災対策を徹底するセーフティ・シェア−−の5つ。

 マンションには、野村不動産とFNJ (ファミリーネット・ジャパン)が共同開発した次世代型スマートマンション・エネルギーサービス・システム「enecoQ」を導入する。


工事中の現場(正面奥が「イオン船橋」)

◇    ◆    ◇

 記者の一番の関心事は「売れるか売れないか」だ。坪単価は先日の記者懇親会で担当役員に「150万円ぐらいでしょう」と聞いて「いい線だ」といわれていたので、ズバリだった。ただ、売れ行きとなると、船橋駅から「歩けない」と見ていたので、売れ行きは半信半疑だった。

 ところが、記者発表、モデルルームを見るうちに、「これは人気になる」に変わった。「徒歩圏外」と見ていたのだが、この物件の商品企画を主導した野村不動産住宅カンパニー住宅営業一部課長代理・鳥羽雅夫氏(32)は、「アンケートの結果からも、みなさん船橋駅から徒歩圏の物件と認識されている。私もそう思っている」と自信満々に語り、販売担当の齊藤康一郎氏(26)も、「自信をもって徒歩圏の物件と勧められる」と、きっぱり語った。

 確かに、営業マンが自信をもって「徒歩圏」と語れないと、ユーザーには伝わらない。「徒歩圏」か「徒歩圏外」かは人それぞれだが、これについては昨日書いた記事を参照していただきたい。管理協の黒住昌昭理事長が先日の記者懇親会で語った「アンケートなど私は信じない。いかようにも解釈できる」という言葉を紹介しておく。


通気孔付きリビングドア

◇    ◆    ◇

 「売れる」と判断したのは、住戸の商品企画だった。設備仕様はこの単価レベルのそれを間違いなく上回っている。玄関ドアとリビングドアに通気孔を設置しているほか、全戸に花台を設置。駐車場は自走式で全住戸の70%を確保する。メインストリートには、「エスコートルーフ」を設けて、雨の日でも濡れないようにしている。

 もう一つ、驚いたのは、昭和30年代〜50年代の街並みを再現した販売事務所の「体感コーナー」だ。写真のように、昔懐かしいタバコ屋、駄菓子屋、乾物屋などが再現されている。記者は見なかったが、昨年、総合地所が花小金井のマンションで採用した、家族の絆をテーマにした泣けるシアター≠燉p意したという。これらを企画したのは先に紹介した鳥羽氏だそうだ。鳥羽氏は、「1期分譲は少なくとも573戸の半分以上は供給したい」と語った。

 記者は300戸ぐらいはいくのではないかと見た。近年の最多即日完売戸数は同社の「プラウドシティ池袋本町」の325戸だ。

   
昔懐かしい「体感コーナー」

「徒歩圏とは10分以内」 時代を映すアンケートに愕然(4/23)

商事×野村不 スマートシェアタウン「船橋森のシティ」(3/26)

初めて見た泣かせるマンション 総合地所「ルネ花小金井」(2011/5/17)

(牧田 司記者 2012年4月23日)