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初めて見た 泣かせるマンション 総合地所「ルネ花小金井」


「ルネ花小金井」完成予想図

 

 総合地所は5月17日、小平市で建設中のマンション「ルネ花小金井」のモデルルーム記者見学会を行った。東京ガスとコラボした全国で初の「温浴エネルギーサービス」を採用しているほか、業界初と思えるものが少なくとも2つあるユニークなマンションだ。

 物件は、西武新宿線花小金井駅から14分、小平市天神町一丁目に位置する8階建て全302戸の規模。専有面積は63.28〜98.74u、先に分譲された1章(優先販売)の価格は2,570万〜5,390万円(最多価格帯3,300万円台)、坪単価155万円。施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成24年2月下旬。売主は同社のほか長谷工コーポレーション。

 1章は5月16日に登録が締め切られ、最高4倍、平均1.07倍で即日完売した。完全予約による来場者は約350件。

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 全国初の「温浴エネルギーサービス」は、東京ガスがエネルギー供給会社としてガスはもちろん電気、水も含めまとめて供給するとともにコージェネレーションを自社設備として設置し、同施設のメンテも含めて運用するもの。共用部や専有部へ電気を供給する他、システムの廃熱を利用して共用施設の大浴場を割安価格で提供する。

 このサービス提供によって、3人家族で80uのマンションを想定して試算すると年間で約2割の31,000円が節約でき、管理費も170円/uに抑えられるという。

 このほか、環境に配慮した設備として、省エネ等級で最高の「4」に対応している長谷工の「ECONIS」やディスポーザー、エコジョーズ、複層ガラスも搭載されている。また、ドアの木質部に桐材を100%使用した「エコドア」(常盤屋製)が採用されている。耐久性、耐火性、遮音性、保温性にも優れるという。重厚感もあり、通常のドアの重量14キロより7キロ重い21キロある。記者は初めて「エコドア」を見た。これはスグレモノだ。

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 もう2つの業界初と思えるのは、シアターと敷地の形状だ。マンションのコンセプトが「家族の絆」となっていることからシアターは、娘の誕生から結婚までを描いたホームドラマ風に仕立てられており、サラリーマンが仕事で娘の誕生日やピアノコンサートなどに出られず、失望する娘が映し出される。記者もそうだが、「僕もそうだ。ホロリとさせられた」と語った同業の記者もいた。

 震災後だけに、よけいにグサリときた。来場者を泣かせるシアターなどは見たことがない。女の子や奥さんにはきっと受けるのだろうが(それが狙いだろう)、夫のサラリーマンはたまったものではない。効果があるかどうかは分からない。夫婦、親子の力関係が左右しそうだ。

 敷地の形状もまたすごい。敷地は植木屋さんだったそうだが、南北軸が長いL型で、南北軸の長さはなんと250m。歩くと3分以上かかる長さだ。東向き住戸は32スパンもある。

 記者は、野村不動産が東伏見だったと思うがやはり南北に長い敷地のマンションを分譲したのを見学しているが、今回のほうがはるかに長い。データはないが、おそらく業界初ではないか。

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 最寄駅の「花小金井駅」から現地まで信号がわずか1カ所しかない緑道を通っていけるアクセスもいいが(やや遠いが)、住戸プランでは「75uのモデルルーム」が最高にいい。3人家族を想定したもので、13畳大のリビングと隣の居室の間は可動間仕切りを採用。3.5畳大のキッチンには廊下との間にカウンターを設置することで、多目的に使用できるスペースとしている。また、居室2室を1室にする提案を行い、主寝室として8.7畳大を確保、浴室、パウダールーム、トイレなどへの回遊性を高めているのがいい。

 記者は、「家族の絆」をテーマにするのであれば、主寝室を充実させるのが絶対条件(つまり夫婦仲がよくなる工夫)だと思っているが、これはそれを実現した。親子で一緒に利用できる洗面化粧台「ドレッサーU」もなかなかいい。


近接する「多摩湖サイクリングロード」

(牧田 司 記者 2011年5月17日)