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野村不動産 新しいマンションブランドに「OHANA(オハナ)」

郊外部の第一次取得向け市場に参入

 野村不動産は8月2日、同社の新しいマンションブランドに郊外型で第一次取得層を主なターゲットにした「OHANA(オハナ)」を新設すると発表した。年間1,000戸供給が目標。第一弾は、今秋分譲の西武多摩湖線「八坂」駅から徒歩5分の「オハナ八坂萩山町」(141戸)。坪単価は130万円前後の模様。

 首都圏の分譲マンション市場は、リーマンショック以降、郊外部を中心にマンション供給してきた中堅のデベロッパーが事業撤退を余儀なくされ、供給が極端に減少しているが、こうした市場環境の中、同社は需要が底堅いとし、年収が400〜700万円台の郊外の賃貸住宅に住んでいる一時取得のファミリー向けとして供給していくもの。シンプルな土地形状で、シンプルな構造・建築計画が可能なエリアで、規格化やバルク発注などによって、低価格ながらも安心・安全のマンションが供給できるとしている。概ね100戸以上を想定している。

 記者発表会で挨拶した同社副社長(住宅カンパニー長)・松本聖二氏は「リーマンショック後、郊外で供給してきたデベロッパーがリタイアなどして急減し、供給も激減している。しかし、郊外マーケットは底堅いものがあり、そうしたエリアでのマンション供給は当社のルーツである良質住宅の供給と一致する。来年で『プラウド』ブランドは10年を迎えるが、『プラウド』とは違う思いを世にアピールしていく」と語った。

 また、「ブランド名の『OHANA』はハワイ語で、家族とか家族の絆を意味すると聞いて納得した。『プラウド』で培ったノウハウを惜しみなく注ぎ込む」とも話した。

 第一弾は、西武多摩湖線「八坂」駅徒歩5分、東村山市萩山町3丁目の10階建て全141戸の「オハナ 八坂萩山町」。専有面積は71.18〜92.46u、予定価格は2,500万円台〜3,900万円台(最多価格帯2,900万円台・3,000万円台)。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成24年9月上旬。10月にモデルルームをオープンする。

◇    ◆    ◇

 同社の新しいブランドは、7〜8年前に分譲し、その後供給が途絶えたコンパクトマンションの「プラウドジェム」の改良型だと思っていた。郊外の第一次取得層向けだとは全然思いもしなかった。

 しかし、記者は、アッパーミドル層をメインターゲットにした都心部や準都心部のマンションは大手が中心で、郊外の低価格マンションは中堅という図式が望ましいとも思ってきた。大手と中堅が同じ土俵で戦うことはないと思う。それがリーマンショックで崩れてしまった。

 同社は、リーマンショック後も他社が全然供給しなかった千葉方面でコンスタントに供給を続けており、販売も好調に推移してきた。

 その延長線上で、今回のような「OHANA」のブランド立ち上げは正解なのだろう。年間1,000戸ぐらいなら十分需要を吸収できるだろう。第一弾としてパートナーを組む長谷工コーポレーションの施工マンションは記者もたくさん見学しているが、「どうしてこの単価でこのレベルのマンションが出来るのだろうと」思うぐらいレベルは高いし、販売も好調だ。同社が郊外マンションに参入するからと言って、この程度の供給量なら中堅の市場にそれほど影響を与えないだろう。むしろ、郊外市場の活性化につながるのではと期待もしたい。

 ただ、記者もそうだが、「プラウド」のマンションに慣れているユーザーは最初は戸惑いを覚えるかもしれない。「八坂萩山町」で言えば、単価水準、供給が全くないエリアを考えれば早期完売は間違いない。


記者団の質問に答える松本副社長

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(牧田 司 記者 2011年8月2日)