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三交不動産「羽村」に続くか

東武鉄道・長谷工「ステーションテラス若葉」


「ステーションテラス若葉」完成予想図

 東武鉄道と長谷工コーポレーションのJVマンション「ステーションテラス若葉」を見学した。この物件が、震災後のユーザーの住宅取得意欲の強弱を測る格好の物件だと思ったからだ。この物件が売れなければ、今後、郊外マンションはかなり苦労するだろうと思ったが、不安は一掃された。しっかりした商品企画であれば間違いなく売れることを証明するマンションだ。

 物件は、 東武東上線若葉駅から徒歩2分、鶴ヶ島市大字藤金字大境に位置する15階建て全174戸の規模。専有面積は71.54〜87.60u、予定価格は2,400万円台〜4,000万円台(最多価格帯3,000万円台)、坪単価は127〜128万円。施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成24年7月中旬。販売代理は長谷工アーベスト。

 物件の特徴は、「駅近」「商業施設との一体開発」「天然温泉付き」だ。敷地に隣接してスーパーヤオコーが今年 11 月にオープン予定。天然温泉付きになったのは、もともとがこの敷地はアパが温泉付きで建設を進めていたところで、例の耐震偽装の問題で販売を中止、取り壊しとなったものだが、温泉だけはそのまま利用しようということになったものだ。

 温泉は、弱アルカリのナトリウム塩化物温泉で、泉温は29℃。毎月の利用料は1世帯あたり2,000円。

 建物の外観は、白とグレーのマリオンや付柱が印象的で、淡いブルーのガラス手すりがさわやかな印象を与えるもので、住戸プランは全戸南西向き。前面が戸建てエリアで開けており、晴れた日には4階以上から富士山が見えるという。

 設備仕様も水準以上だ。長谷工コーポレーションの「E−label (エラベル)」が採用されている。

 6月13日に優先分譲の1章(81戸)が分譲されるが、反響が多いために当初68戸から増やすという。販売を担当する長谷工アーベストのプロジェクトリーダー・廣林登紀子さんによると「3〜4カ月前から集客していますが、反響も来場も当初想定の1.5倍ぐらい。最初は30戸ぐらい供給できればと思っていましたが、妻側住戸は抽選になりそう」と、早期完売を確信していた。「60歳以上の年配の方の反響が多いのも特徴で、全体の3割ぐらいを占めています。私が担当した物件では、年配の方々の反響は多くて2割ぐらいですから、驚くほどの多さ」とも話している。

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 なぜ、この物件が今後の販売動向を測るバロメータなのかということだが、郊外とはいえ、価格が圧倒的に安く、しかも駅近で商業施設との一体開発、温泉付きなど売れる要素≠ェ揃っており、記者の尺度で考えれば間違いなく売れる物件だ。

 しかし、震災の影響が読めなかった。ユーザーのマインドによっては販売が長期化するのではという不安もあった。

 廣林さんの話を聞いて、この物件については多少の影響はあるのだろうが、ユーザーの心を捉えたようで、まったく心配ない物件であることが確認できた。逆に、竣工までの完売どころか数カ月で完売する可能性も出てきた。

 若葉駅圏では、リーマンショック前までは年間100戸〜200戸ぐらいがコンスタントに供給されてきたが、リーマンショック後は供給が途絶えている。そのためにニーズが蓄積されてきたことも販売好調につながっているのだろう。

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 もうひとつ、廣林さんからうれしいニュースを聞いた。記者が2月に取材した三交不動産「アトレ羽村グランプリエ」(全151戸)が2週間前に全戸契約完売したというのだ。震災で販売を中断したことを考えると、実質3カ月で151戸が完売したことになる。これはすごい売れ行きだ。


若葉駅前(左が駅舎、クレーンが立っているところが建設現場)

売れ行き絶好調 三交不動産「アトレ羽村グランプリエ」(2/21)

(牧田 司 記者 2011年6月7日)