RBA HOME> RBAタイムズHOME >2011年 >

  三井不動産・東芝

「パークホームズ大倉山」 でスマートシティ実証計画


「パークホームズ大倉山」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルと東芝は7月13日、経済産業省「平成23年度次世代エネルギー・社会システム実証事業」に採択されたプロジェクトとしては分譲マンションでは初となる「パークホームズ大倉山」の「マンション向けエネルギーマネジメントシステム(EMS)」実証計画を決定したと発表した。太陽光発電や蓄電池を搭載し、マンション内のエネルギー利用を最適化し、さらに地域のエネルギー利用の最適化も目指す。

 「次世代エネルギー・社会システム実証事業」とは、電気の有効利用や、太陽光発電などの再生可能エネルギーの効率的な活用、さらには地域の交通システム、市民のライフスタイルの変革なども複合的に組み合わせ、地域単位で「次世代エネルギー・社会システム」、「スマートコミュニティ」の実証を行う事業。

 「パークホームズ大倉山」のEMSの実証は、「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の一つとして選定された「横浜スマートシティプロジェクト」でのプロジェクトの一つとして行わるもの。マンションの専有部と共用部の2つのEMSを構築、統合することでマンション全体のエネルギー管理の実現を目指す。また、東芝が開発する地域全体のEMSと、マンション内のEMSとを連携させることで、マンション内のエネルギー利用を最適化し、さらには地域のエネルギー利用の最適化も目指す。

 マンションの入居開始後は居住者への意識調査やエネルギー利用データも含めた分析、エコ活動を促進するインセンティブなどの運用を行う予定。

 「パークホームズ大倉山」は東急東横線大倉山駅から徒歩6分の7階建て全177戸の規模。分譲開始は10月上旬で、竣工予定は平成24年10月。

◇    ◆    ◇

 なかなか分かりづらいものだが、要は太陽光発電や蓄電池システムを利用してハード・ソフト両面の「エネルギーの見える化」を進め、個別マンションだけではなく地域全体の環境配慮型の街づくりを進めようというプロジェクトだ。先に三井不動産などが発表したように、千葉県柏市の「柏の葉キャンパスシティ」で行っている地域全体の「スマートシティプロジェクト」と似たようなものと理解した。モデルルームが出来たら見学してレポートしたい。

 一つだけ注文したい。記者はこの「スマートシティ」「スマートコミュニティ」は巨大市場に発展すると見ているが、どうして経済産業省が主導することになっているのかよく分からない。このプロジェクトは、道路や鉄道、通信、住宅、ビル、防犯・防災、コミュニティなどあらゆる分野を包括しないと進まない。従来の縦割り行政では絶対にうまく進まないと思う。国家プロジェクトとして位置付け、行政の再編を含めて推進する組織の一元化を図るべきではないか。「柏の葉」のような公民学連携の街づくりのほうが分かりやすい。

三井不動産他 柏の葉キャンパスシティ会見に130人(7/12)

三井不「柏の葉キャンパスシティ」スマートシティ取材会(7/9)

パナソニック他8社 藤沢で「FujisawaSST」構想発表(5/27)

(牧田 司 記者 2011年7月15日)