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三井住友建設 2つの注目すべきマンション設計システム


「SuKKiT-W (スキットダブル)」イメージパース


 三井住友建設が最近、2つの注目すべき新しいマンション設計システムを開発して発表した。

 ひとつは、絶対高さ規制が20mでも7階建てが実現可能な「「SuKKiT20 (スキット20)」で、もうひとつは中廊下型のマンションやシティホテルに最適なバルコニー側に梁が出ない設計システム「SuKKiT-W (スキットダブル)」だ。 

 前者は、同社が昨年9月に開発発表した「SuKKiT」シリーズの技術を応用した設計システムで、天井高やサッシ高、遮音性能などマンションとしての基本性能を維持しながら、階高を抑えて建物高さ20mで7階建ての計画を実現したもの。

 後者は、15階程度までの都市型小世帯マンションやシティホテルをターゲットとした設計システムで、バルコニー側に梁のない自由で開放的な空間を一般的な耐震構造で実現するもの。

 「SuKKiT」は「すまい」(Sumai)「快適」(Kaiteki)「きれい」(Kirei)「テクノロジー」(Technoloy)」をコンセプトとした造語。特許・商標登録出願中だ。

◇     ◆     ◇

 記者は、これまで合理的根拠を欠く10m、20m、30mなどの10m刻みの絶対高さ規制を改めるよう主張してきた。 20mでは6階建てしか建てられない。しかし、一般的な建築物の階高を3m(レベルの高い建物は3.1〜3.3に規制緩和)と仮定すると、規制は21m(21.7〜23.1m)、30m(31〜33m)などとするのが合理的だと思うし、レベルの高い建築物が建てられるよう誘導するために緩和すべきだと思う。

 同社が今回開発した一連の「SuKKiT」シリーズは、現行規制でも十分対応できるというのに興味がそそられる。 20m規制の7階建てマンションの天井高は2.45mになるが、サッシ高は2m、水周り部分も2.1mを実現できるという。バルコニー側に梁型がでないのももちろんいい。

 同社では、昨年9月に3m未満の階高で2.2mのハイサッシを実現する「SuKKiT1 トリプルフラットビーム」を開発・発表してから受注が増えており、首都圏で一けた台の建物の着工が近いとしている。

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(牧田 司 記者 2010年12月6日)