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今年もっともよく売れたマンションデベロッパー

野村不動産

 

「 2009年 記者が選んだベスト3マンション」のうちの一つ

 記者は例年、「記者が選んだベストマンション」を発表している。 2009年については、ほぼ選定を終えており、年初には発表する予定だ。ただ、毎年選んでいるベスト3については、ベスト2までは確定しているが、残りの一つについてはまだ決まっていない。正月休みの間によく考えて選ぶつもりだ。

 ベスト2のうち、一つは個別マンションとして最も売れたコスモスイニシアの「ザ・晴海レジデンス」(438戸)と「晴海テラス」(全378戸)だ。施工した長谷工コーポレーションが所有していた土地と東京都が所有していた晴海の土地を交換したための土地で、単価が安かったためでもあるが、 1 年もたたないうちにこれだけの戸数をほぼ完売したの立派だ。ここまで下がれば売れるということを実証した。商品企画も悪くない。

 もう一つは、個別物件というより全物件がおしなべてよく売れたという意味で野村不動産の各物件を挙げる。一般には同社もニュースリリースを出した「プラウド新宿御苑エンパイア」(全35戸)の即日完売が取り上げられるが、記者はそれ以前の「プラウド宮崎台」(全91戸)を真っ先に取り上げたい。分譲開始は5月だった。同社恒例の記者懇親会で幹部がこぞって「即日完売するかも」と語った物件だった。決して単価は安くなかったが、「価格に見合う価値のあるものは売れる」ということを実証した。

 このほか、見学した「プラウド橋本」(全111戸)「プラウド東陽町」(全168戸)「プラウド練馬中村橋」(全82戸)「プラウド浦和仲町マークス」(全54戸)「プラウド鵠沼橘」(全55戸)「プラウド二子玉川トレサージュ」(全28戸)なども好調な売れ行きをみせた。

 同社広報によると、記者は見学していないが、この他にも「プラウド市川大門通り」(全30戸)「プラウド西千葉春日」(全78戸)「プラウド蘆花公園」(全87戸)「プラウド高井戸」(全79戸のうち1期50戸)などが即日完売かそれに近い売れ行きを見せているという。

 好調な売れ行きを支えているのは、用地仕入れの目利きのよさもあるだろうが、その土地の価値を最大限に引き出す商品企画力にある。中でも記者がもっとも注目したのが「ラクモア」だった。「橋本」や「鵠沼橘」ではその進化版を目の当たりにした。初めて同社のモデルルームを見学した人は間違いなく感動したはずだ。(他の物件を比較した人でないと分からない部分もあるが)

 「リーマン・ショック後の回復基調の中で、宮崎台をきっかけにお客さまの満足に答える物件を供給すれば早期完売できることを社員全員の共通認識にできたことが大きい。都心の『新宿御苑』を始め準都心、都下、神奈川、埼玉、千葉方面へと好調物件も広がりを見せている。とくにラクモアはお客さまの心に響くストーリーが描けるのが大きな武器になっている」と広報担当者はいう。

 来年以降についても、「高値で仕入れたものの中で減損処理できるものは既に行っている。これからは安い価格で仕入れたものもあり、建築費の下落でユーザーのニーズにマッチしたものが供給できる」(同)としている。

 今年、マンション市場は供給が激減し、中堅の破たんも昨年に引き続いて相次いだ。記者の見学物件も例年は200件を超えるが、今年は百数十物件にとどまった。売れない物件の記事など書きたくないし、劣悪なマンションの記事などなおさらだ。そんな中で見学した10件を超える同社のマンションは期待に応えてくれた。

 来年は、同社だけでなく多くのデベロッパーのマンションがよく売れることを期待して、今年最後の記事にしたい。

野村不動産「プラウド宮崎台」1期 平均1.7倍で即日完売(5/11)

野村不動産「プラウド東陽町」1期90戸がほぼ即完(2/28)

野村不「プラウド新宿御苑エンパイア」平均1.8倍で即完(9/9)

進化したラクモア初登場 野村不動産「プラウド橋本」(9/25)

野村不「プラウド浦和仲町マークス」1期35戸が即完(10/15)

なぜ野村プラウドは売れるか「鵠沼橘」に見た感動もの(12/4)

(牧田 司 記者 12月28日)