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野村不動産「プラウド」はなぜ売れるか

「プラウド鵠沼橘」に見た感動もの


「プラウド鵠沼橘」完成予想図

 野村不動産が12月12日から分譲開始する「プラウド鵠沼橘」を見学した。

 物件は、東海道線藤沢駅から徒歩6分、藤沢市鵠沼橘1丁目に位置する12階建て全55戸の規模。専有面積は約70〜83平方b、1期(35戸)の予定価格は4,589万〜7,047万円、坪単価は250万円弱。施工は日本国土・東海建設。竣工予定は平成23年1月下旬。

 単価は決して安くない。昨日紹介した藤和不動産「BELIST藤沢」は坪単価223万円だ。それと比較してもかなり高い。それでも 1 期の約8割にはすでに申し込み要望がある。物件名にも「鵠沼橘」とあるように、所在地が鵠沼の分譲マンションは過去10年間でこの物件が3棟目という希少性の高い物件というのが人気を呼んでいる最大の理由だろう。

 現地は商業地域だが、敷地の南側には1種低層住居専用地域が広がっているのも人気の要因の一つだろう。

 設備仕様は、すっかり定着したラクモアが標準装備されており、最上階と角住戸はオーダーメイド対応となっている。設備仕様もユーザーが納得できる高さだ。

 同社のマンションについては、今年10物件ぐらい見学し、記事にしただろうか。今回はやや視点を変えて、どうしてプラウド<}ンションが売れるのかについて触れてみたい。

 今回見学して驚いたのは、担当者に説明を受けるまで分からなかったことだが、透明ガラスバルコニー手すりには縦の曇りガラスのスリットが入っているが、洗濯干し部分についてはスリット幅が広がっていた。

 担当者によると、洗濯物を外から見られないようにする配慮だという。透明部分と曇り部分のラインの太さを違えることでデザイン的にも美しくなるように工夫を凝らしていた。

 話は異なるが、先日見学した隈研吾氏がデザイン監修した三井不動産「パークコート神楽坂」では、アルミ手すりを貼り付ける角度と間隔を変えることによって様々な表情に変わるよう工夫されていたのに驚いた。同じ驚きが今回の「鵠沼橘」でもあったわけだ。

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 なぜそのようなことをしたのかは言うまでもない。担当者によると、標準装備のラクモアのほかに、それぞれのプロジェクト担当者には独自のアイデアを商品企画に盛り込むことが求められているという。お客さまの声や営業マンの声を商品企画にフィードバックするシステムがきちんと稼働、実践されていることを今回の見学でも確認することができた。

 そういえば、ラクモアはどこのマンションでも同じかというとそうではない。物件によって微妙に異なっている。例えば「プラウド橋本」。この物件の下足入れは、調湿・脱臭機能付きで、印鑑などの小物入れは外から見られないように扉は外開きで、しかもソフトクローズ機能付きだった。どこを削り何を付加するかは現場に任されているのだろう。

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 マンショントップブランドのプラウド≠ウえ(だからこそだが)、かゆいところに手が届くアイテムを盛り込み、工夫を凝らしている。住宅は感動を売る商売でもある。プラウドには間違いなく感動がある。

 プラウドを売る営業マンも他のデベロッパーの営業マンも、接するのは同じ住宅購入希望者だ。お客さまの本音を探り、商品にフィードバックさせられるかどうかの違いだろう。そんなに溝は深くないと考えたいが、現状は広がるばかりのような気がする。

進化したラクモア初登場 野村不動産「プラウド橋本」(9/25)

(牧田 司 記者 12月4日)