野村不動産「プラウド東陽町」１期90戸がほぼ即日完売
「プラウド東陽町」完成予想図
昨日に続き、今日も〝すこぶる〟付きの好調マンションを紹介しよう。野村不動産が先週19日に抽選分譲した「プラウド東陽町」だ。
物件は、東西線東陽町駅から徒歩13分、江東区南砂一丁目に位置する10階建て全168戸の規模。専有面積は約61～100平方㍍。今回分譲された１期（90戸）の価格は3,770万～8,550万円（最多価格帯5,500万円台）、坪単価232万円。竣工予定は平成22年2月下旬、施工は長谷工コーポレーション。
抽選の結果、即日完売は逸したが､約９割に申込が入り､その後､抽選に漏れた人の申込が入り、現在残っているのは５戸のみという。４月にモデルルームをオープンして以来、来場者は1000件を突破しているという。
この時期にこれほどの戸数を一挙に供給して95％の申込率に驚いたが､もう一つ驚いたのは最多価格帯が5,500万円台という価格帯だった。マンションであると戸建てであるとを問わず､現場で最近よく耳にするのが〝5,000万円を超えると厳しい〟という声だった。この物件は、そんなハンディをものともせず好成績を上げた。
一体どうしてか。販売を担当する同社プラウド東陽町マンションギャラリーチーフ鵜沼孝之氏は明快に次のように語った。「分かりやすい物件です。都心からわずか５キロ圏にありながら、敷地南側が公園に隣接しているということです。駅からややありますが、それを補って余りある魅力があるということです。ミクロ立地が際立っています」
鵜沼氏がいうように、この物件はすぐ南側が都内最大の仙台堀川公園に面しており､横十間川親水公園にも徒歩３分だ。江東区役所、ホテルイースト21、大型スーパーも数分圏だ。
得難い立地条件であることが地元区民や江戸川区、市川市などのファミリー層に支持されたようだ。
価格（単価）的には微妙な価格だ。この物件より駅に近いタワーマンションは２年前に坪280万円で分譲されており､それと比べると安いが､駅の反対側の徒歩７分では現在、三井不動産他「パークホームズ東陽町キャナルアリーナ」（262戸）が坪220万円台で分譲されている。
にもかかわらず高い支持を得たのは、その商品企画力だろう。アッパーミドル層を満足させる居住性能と設備仕様であるのは間違いない。二重床・二重天井、無梁板工法などを採用、リビング天井高は１、２階が2600ミリ、３～６階が2550ミリ、７階が2600ミリなどとなっている。同社とタカラスタンダードが共同開発したオリジナルのシステムキッチン「 LUXMORE 」も採用されていた。廊下幅も芯心で950ミリ確保している。
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記者は数年前、同社のマンションが完成在庫など全く出さなかった頃､駅からややあった「プラウド大泉学園」が唯一、完成後も残っていたのを当時、同社の住宅カンパニー長の高井基次氏から聞いた。高井氏が「ものはどこにも負けなが､駅からややあったのが影響した。やっぱりマンションは駅近」と語ったのをよく覚えている。
その後､同社は駅近の物件を中心にヒット作を次々供給してきた。この「東陽町」は〝駅近〟と同様の価値のある立地だから用地を取得したのだろうし、見事、結果を出した。鵜沼氏が語ったように「駅からややありますが、それを補って余りある魅力」を引き出したマンションだ。
南側バルコニーからの眺め（完成予想図）
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駅の反対側では三井不動産他「パークホームズ東陽町キャナルアリーナ」が分譲されていることを触れたが、競合について鵜沼氏は「皆さん回遊はされていますが､競合はほとんどありません」という。立地が異なる上、ターゲット層が異なっているようだ。「パークホームズ」も順調に売れているようなので､機会を改めて紹介したい。
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東陽町のマンションと言えば､記者は明豊エンタープライズが３年前に分譲して人気になった「シェルゼ木場公園」を思い出す。駅近マンションが坪210万円だったのに対し、徒歩11分で坪260万円の高額だったにもかかわらず早期完売したマンションだ。都の「環境性能表示」で☆３つ（全12個）を獲得した第一号物件だった。
今回の野村不動産の物件は、それ以来の同駅圏での人気物件ということになりそうだ。いつの時代でも価格に見合う価値のある物件は売れるということだ。
（牧田 司 記者 7月28日）