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三井不動産レジデンシャル パッシブデザインを戸建てに採用
第一弾は「ファインコート三鷹ブライトアーク」
「ファインコート三鷹ブライトアーク」
三井不動産レジデンシャルは11月13日、居住者の快適性や建物の省エネ性能の向上に、風や光などの自然エネルギーを活用する「パッシブデザイン コンセプト」を採用した都市型戸建ての第一弾「ファインコート三鷹ブライトアーク」の記者見学会を行った。また「パッシブデザイン コンセプト」の小冊子を作成し、今後、各販売センターで配布する｡
物件は、JR中央本線三鷹駅からバス14分徒歩5分、またはJR中央本線武蔵境駅から徒歩17分、三鷹市深大寺1丁目に位置する全20戸。土地面積は110.09～116.80㎡、建物面積は88.04～92.54㎡、価格は未定だが、5,000万円台の半ばから7,000万円台の半ば、最多価格帯は6,000万円台になる模様。構造・規模は2×4工法2階建て、設計・施工はエステーホーム。建物は10月下旬に竣工済み。11月下旬から販売開始する。
計画に際し、自然エネルギーを活用するため効果的な配棟や植栽計画を採用。近接するカースペースを複数台分連続させたり、住戸の南側に落葉樹、北側に常緑樹をレイアウトするなど工夫を凝らしている。
光と風を住戸内に導くため居室には2カ所以上の開口部を設け、屋内気流をコントロールしたり、季節の日射を考えた軒や庇形状を採用している。
設備仕様面では、引き違い窓ではなく自然の風を効率よく取り込める「ウィンドキャッチ窓」を採用したほか、雨水を利用する「雨水取り出し口」やグリーンカーテン用フックを採用している。
モデルハウスプランでは、天井高約3ｍの折り上げ天井リビングダイニングキッチン、容積に参入されない約8.7畳大の小屋裏収納・約5.4畳大のスーパーロフト、撤去可能なフリーウォール、YAMAHA製のサウンドシャワー、坪庭と一体となった丸窓などが採用されている。
11号棟 モデルハウス リビング
11号棟 モデルハウス DEN
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「パッシブデザイン」については、同社グループの三井ホームの柏の葉の実験住宅、三井不動産リフォームの自由が丘のモデルハウスを見学しているのでそれほど驚きはしなかったが、雨水取り出し口やウィンドキャッチ窓はなかなか面白い。
それより感心したのはデザインだ。この物件では横浜・山手の4つの洋館スタイルをテーマにしており、アーチ型開口部が特徴の「サンタフェ」、地中海リゾートを風の「ヴィラ エスパーニャ」、フランク・ロイド・ライドの水平ラインを強調した「コテッジ・プレーリー」、古典的な列柱を配した「ヴィクトリア・ネオ」のデザインが印象的た。
もう一つは、やはりトータルな商品企画力の確かさだ。とくに収納の豊富さ。昨年見学した調布の物件ではいたるところに収納が設けられており、2階建てではあったが4～5層住宅にも見えた。今回もモデルハウスに3ｍの天井高を確保したリビングダイニングキッチンを設ける一方で、2階部分は2段約40センチのスキップフロアの居室を設け、約8.7畳大の小屋裏収納を確保している。階段幅はメーターモジュールを採用し、ステップは15段だ。
雨水取り出し口 化粧手すりつき階段 門柱
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最近、都市型戸建てに新規（というよりは再挑戦）するデベロッパーやハウスメーカーなどが増えているが、記者はその多くは成功しないのではないかとみている。都市型戸建ての定義はあいまいだが、一般的には都心に近く、土地面積が30～40坪、建物が30坪前後の取得しやすい価格帯の建売住宅と理解されている。バブル崩壊後の平成7年ごろから各社がこの分野に殺到した。
ところが、現在も継続して分譲しているのは同社、野村不動産、細田工務店、コスモスイニシアなど数社しかない。（建売住宅専業などは含まない）。同社はその代表格で年間800～900戸を供給しており、断トツの多さだ。同社を追う野村不動産は大型物件が中心でややコンセプトが異なる。
この2社をどこが追うのかが興味深い。記者は自社だけでなく他社物件の施工も多く手がける細田ではないかと見ているが、細田はブランディングがあまり上手ではない。ノウハウではコンスタントに施工を受注している西武建設だが、西武グループは自社開発からほとんど撤退してしまった。
また、この都市型戸建てといわゆるパワービルダーや戸建てメーカーとの建売住宅の垣根はなくなっており、建売住宅市場は全体的には市場規模が縮小する中で大激戦が展開されるはずだ。
三井不リフォーム 「スマートリフォーム」モデルハウス(11/2)
（牧田 司記者 2012年11月14日）