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三井ホーム・三井不動産

「次世代スマート2×4 “MIDEAS”」完成


外観

 

 三井ホームと三井不動産は9月10日、このほど完成させた千葉県・柏の葉キャンパスエリアの実証実験住宅「次世代スマート2×4 “ MIDEAS ”」を報道陣に公開した。三井不動産が取り組んでいる「柏の葉スマートシティプロジェクト」の一環として建設されたもので、約80人が参加するなど関心の高さがうかがわれる。

 「MIDEAS」は、M(三井ホーム)+IDEA (アイデア)+S(複数形)からなる造語で、同時に未来(Mirai)に向けて理想や原型(IDEA :ラテン語のイデア)を示す2重の意味が込められている。最新の2×4工法技術やビルなどで用いられているダブルスキン(2層壁)を導入し、自然エネルギーの活用により建物全体で電気使用量の約50%削減を目指すほか、太陽光発電、蓄電池、 EV 電気自動車、アシスト電源などを用いてエネルギーの自足自給生活の可能性を探り、最新の「AEMS」「HEMS」との連携を図っていく。

 実験住宅は、敷地面積約305u、延床面積約168u、ツーバイフォー工法2階建て。11月9日まで公開され、11月12日から平成27年11月30日まで基礎実験や入居実験が行われる。

  
ナチュラルユーザーインターフェイス                  スマートウィンドウ

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 見所の多い実験住宅だ。業界初といわれる EV ワイヤレス給電、ディーゼル発電機を用いたアシスト電源などもそうだが、室内の温湿度や照度、気象情報などを取得して窓やルーバー、照明、家電製品などをコントロールする機能を備えた「MIDEAS HEMS 」を導入し、エネルギーの「見える化」だけでなく「見せる化」を進めるというのが面白い。

 個人的には、センサー技術を活用し断熱性と日射遮蔽性を高めるスマートウィンドウがいいと思う。実用化されれば冷暖房エネルギーは約50%削減されるという。コストの問題もあるのだろうが、集合住宅にもいい。ヨーロッパではかなり普及しているとも聞く。

 ウッドデッキ下の地中に雨水利用タンクを設置し、貯まった雨水はウッドフェンスに組み込まれた太陽電池パネルにより発電し蓄電池に蓄えられた電力によってポンプアップされ、植物へ自動散水できる装置(ウッドフェンスソーラー)もある。ミストが冷気を誘い、木漏れ日の文様がウッドデッキに描かれるパーゴラの仕掛けや、国産材を用いた木製サッシ、太陽光発電フィルムもなかなかいい。ヒートアイランドを抑制する抗火石平板やリサイクル材を用いた緑化舗装材など細かな配慮もなされている。

   
ウッドフェンスソーラー                   ミストシャワー機能付きパーゴラ

(牧田 司記者 2012年9月10日)