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大京  AR を活用した生活実体験型モデルルーム」発表

 大京は5月24日、マンションギャラリーでの接客改善の取り組みとして、見学者のペースで見学でき、実際の商品と視覚的な疑似体験ができるAR(Augmented Reality: 拡張現実)の技術を活用した「生活実体験型モデルルーム」を発表した。近く分譲開始する江戸川区の「ライオンズ瑞江レジデンス」のマンションギャラリーで報道陣に公開した。

 モデルルームを自由に見学しながら、モデルルームの中にある「ARマーカー」に iPad をかざすことで、商品の特性や疑似体験ができるもの。 AR は「そこに存在するものをより深く知覚させるため」の技術。

 同社はマンションギャラリーの接客改善に取り組んでおり、今年2月にモデルルームをオープンした「ライオンズ蔵前レジデンス」から見学者が情報を引き出すことのできる「デジタルサイネージを用いた情報提供システム」の運用を開始している。今回はその発展型。

  「ライオンズ瑞江レジデンス」は、都営新宿線瑞江駅から徒歩10分の5階建て全47戸。専有面積は67.38〜83.32u、価格は未定だが、坪単価は200万円前後。竣工予定は平成25年3月25日。施工は川口土木建築工業。

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 「デジタルサイネージを用いた情報提供システム」もよく分からなかったが、自分が購入したい住戸からの眺望が疑似体験できるというものすごい可能性を秘めたものだということは理解できた。パソコンが利用できる人なら自由に操れるものだった。

 しかし、今回の「生活実体験型モデルルーム」はその発展型とはいえ、iPadを操作したことがない記者はちんぷんかんぷんだった。どうしてあのように重い板を持ち、無言で画面を眺めないといけないのか。みんながじっと画面を見たりせわしなく指を動かす動作は異様な光景としか思えない。どうして音声が出ないのかも不思議だった。

 同社によると、音声を出すか出さないかは論議したそうだが、多くの見学者がモデルルーム内でそれぞれ見はじめたら、聞き取りづらくなるということから音を出さないようにしたという。

 今回、マーカーを設置したのは12カ所で、設置費用は約550万円。設備仕様は他のマンションもほぼ同じだから、同じマーカーを使用すればどんどんコストは下がるという。

 まあ、 iPad を自由に駆使できる人にはいいのかもしれない。同業の女性記者は「営業マンに付きまとわれたくない人にはいいかも」と話していた。ただ、 iPad 、スマート・フォンの普及は間違いなくわれわれから会話を奪い、語彙能力、ひいてはあらゆる学問の基礎となる国語力の退化を招くということだけは確かだ。

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(牧田 司記者 2012年5月25日)