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不思議な空間を見た 三井不動産レジデンシャル

「第6回三井住空間デザイン受賞住戸」


「第6回三井住空間デザイン受賞住戸」2人のリビング

 三井不動産レジデンシャルは2月9日、「夫婦とともに成長する住まい」がコンペの課題テーマになっていた「第6回三井住空間デザインコンペ」最優秀賞作品をプランに盛り込んだ「パークホームズ滝野川」の受賞住戸を報道陣向けに内覧会を行った。

 物件は、埼京線板橋駅から徒歩5分、北区滝野川7丁目に位置する13階建て全60戸の規模。専有面積は55.86u 〜73.01u、坪単価は236万円。竣工予定は平成23年2月下旬。受賞住戸は、応募作品562点の中から選ばれた藤原洋平氏(29)・板橋祐子氏(26)の作品をベースにプランニングした住戸で、4,680万円(68.88u)の照明・家具付き。「3つのリビングがある家」が特徴。購入した人は30歳代前半のDINKS。

 内覧会に出席した藤原氏・板橋氏は「2人のリビング、夫のリビング、妻のリビング、趣味のリビングそれぞれが適切な距離感を持っている幸せになれる住空間を作り上げた。それぞれが行き止まりにならないよう回遊性も持たせた。玄関もいろいろな用途に使えるよう使い勝手を考えたし、普通のユニットバスを苦労して 2 ウェイにした」 (藤原氏) と語った。

   
妻のリビング                     夫のリビング

◇     ◆     ◇

 面白いと思ったが、結局は分かったような分からないような不思議な空間だった。

 よく理解できたのは、土間風の「趣味のリビング」だった。この種の提案は古くはUR都市機構や民間がインナー・バルコニーとして提案していたし、最近では野村不動産・三井不動産レジデンシャルの「中野ツインマークタワー」でも提案されている。狭い空間を有効に利用するのには最適だ。これなどは他の物件にもすぐに応用できる。

 なるほどと思ったのは2ウェイ浴室だ。最初は全く理解できなかったが、見学していた若い女性の記者は「夫に気兼ねなく利用できるからいい」と言っていた。なるほど。浴室は妻のリビングと直結しており、素っ裸でも浴室に出入りできる。バルコニーに面した妻のリビングから浴室への通路はガラスブロックで採光も取れている。

 夫・妻それぞれのリビングは、意図はよく分かるが分からない部分も多い。夫のリビングは妻のリビングよりやや広いが、収納がない。後付けで設置するしかないだろう。妻のリビングにはクロークがあるが、やや狭いかもしれない。腰窓は内側からしか開閉できないようになっていた。これはいいのか悪いのか、記者には分からない。カレンダーに花丸をつけてサインを送る妻は可愛いが、腰窓がピシャリと閉められたら、夫あるいは妻は、相手の強い「拒否」を感じるに違いない。それぞれのリビングの引き戸には鍵は付いていないように思ったが、どうだろう。

 「2人のリビング」はいま一つ理解できなかった。かなり大きなアイランドカウンターキッチンと一体となっているものだが、シンクとガス台付きのカウンターに腰掛けて夫婦は何を語るのだろうか。やはりダイニングはあったほうがいいのではないか。


趣味のリビング

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 しかし、マンションの各住戸は、欲しい人に売ればよいのであって、万人向きのプランなど必要ない。藤原氏は昨年結婚し、現在は1Kのマンションに住んでいるそうだが、「将来はこんな住宅に住みたい」と語った。聞きはしなかったが、独身の板橋氏もこんな家に住みたいのだろうと思った。


板橋氏(左)と藤原氏

三井不動産レジデンシャル コンペ優秀作「3つのリビング」是非を街で聞く1010/(10/8)

三井不レジデンシャル「第6回三井住空間デザインコンペ」優秀作分譲(1010/10/7)

(牧田 司 記者 2011年2月9日)