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三井不RD「第6回三井住空間デザインコンペ」最優秀賞作品

「3つのリビング」提案の是非を聞く

 

 三井不動産レジデンシャルが昨日(10月7日)、ニュースリリースした「第6回三井住空間デザインコンペ」最優秀賞作品をプランに盛り込んだ「パークホームズ滝野川」のモデルルームを見学した。

 物件は、埼京線板橋駅から徒歩5分、北区滝野川7丁目に位置する13階建て全60戸の規模。専有面積は55.86m2〜73.01m2、坪単価は236万円。竣工予定は平成23年2月下旬。

 ゴールデンウィークから分譲されており、現在残りは3戸。しかし、2戸には購入希望が入っており、実質的には残り1戸のみ。残っているのは今回のデザインコンペに当選した住戸で、詳細が決まっていなかったため積極的に販売してこなかったからだ。近く広告も出して宣伝するという。価格は4,680万円(68.88u)で、照明・家具付きだ。

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 モデルルームそのものは73uのファミリー向けプランだったが、設備仕様レベルが高い。以前のパークホームズ≠フイメージを描いている関係者は、そのレベルの高さに驚くはずだ。同社の「パーク・コート」シリーズと何ら遜色ないものだ。玄関床は天然大理石だし、キッチンカウンタートップは御影石、引き戸はソフトクローズ機能付きで。面材は鏡面仕上げ。

 単価的にも、駅の反対側の野村不動産「プラウドシティ池袋本町」が256万円だから納得の単価だ。


モデルルーム

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 次の取材までかなり時間が空いたので、優秀賞プランについて街の人に感想を聞くことにした。場所は丸の内。同社のライバル会社の牙城だが、もちろん聞いたのはプランについての感想だけで、聞かれれば分譲価格は教えた。以下に紹介する。(一部弊社社員の声含む)

○52歳男性 まあ、いいのでは

○49歳男性 仲の悪い夫婦にはぴったり(お宅は? )いいわけないだろ(と語気を強めた)

○63歳男性 現在、3LDKのマンションで3人住まい。部屋が一つ空いており、リフォームして自分の趣味室にしたいが、そんな勝手が許されるか…

○26歳と34歳の独身男性 分からない(分かるようにならないと結婚できない=記者注)

○54歳男性 母親と3人家族。いいねぇ。お金があったら買いたい

○ 64歳男性 うちは仲がいいから、こんな別々の部屋いらない。むしろなるべく夫婦が一緒にいる時間を増やす環境づくりが必要

○60歳男性 プランはいい。書斎がほしい

○ (「40代でいいですか」と声をかけたら「いえ」と正直に答えた)50歳代女性 夫婦でもプライベートの部屋があってもいい。窓はいらない。私の個室? うちは全然ない

○40歳代女性(2人) 定年後は夫婦別々の空間があったほうが夫婦仲が長続きすると聞いているので、このプランはいい。贅沢よね

○(50歳代と思ったが、「40代でしょ」と声を掛けたいかにも上品そうな)女性2人組 趣味室がちょっと小さいが、魅力的なプラン。夫婦の部屋はクローゼットで隔てて隣り合わせでもいいのでは。いいづらいですが1人になりたいときもある

○ (明らかに70歳代と思えたが、「60歳代でしょ」と声を掛けたら「50代よ」と返事が返ってきたあつかましい)女性2人組  68uもいらない。掃除が大変よ。夫婦別々はいいわね。お互い寝る時間とかが違うから

○(50歳代でも十分通用する)60歳代女性 意味があってないようで。夫婦別々の部屋のほうがいい

 以上のように、おおむねターゲット層には受けがよかった。夫婦別室はデベロッパーでも以前から戸建てで提案していた。記者もよく理解できる。今回の提案は「居室」でなく「3つのLDK」があるのがミソだろうと思う。これが普通の2LDKだったら、受賞しなかったのかもしれない。

 しかし、それでも夫婦別々の空間を「居室」でなく「リビング」と呼ばなければならないのか、それぞれの空間につながりを持たせなければならないのか、そのあたりが記者にも正直よく分からない。仲が悪い夫婦は絶対買わないことだけは確かだろう。

(牧田 司 記者 2010年10月8日)