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公共建築物の木造化について各省庁が会議

 農林水産省と国土交通省は12月14日、「公共建築物における木材の利用の促進に関する関係省庁等会議」を農林水産省内で開催した。各省庁から25名が出席。会議では、他省庁からの意見などはなく、議論というよりも報告会だった。机上には、間伐材で作られたうちわ、箸、カートカンに入ったお茶が置かれていた。案内では「傍聴可能人数10名程度」と記載されていたが、当日は倍近くの20名弱が傍聴席についた。以下、主な発言。

 農林水産省副大臣・岩本司氏 「木材は使う上でも大きなメリットを生むもの。いろんな学者の調査では、コンクリートよりも木材で建てられた校舎のほうが心温かい子供たちが育つという例が報告されている」「今回の震災では木造で建てた仮設住宅が人気があり、このまま住みたいとの声もある。現在カナダでは、4階建ての木材の建築物を中国で実験的に造っていると、先日、カナダの農林水産大臣が言っていた。民間企業は3階、4階の住宅をつくる方向が見えている。国内でも今までの材木よりも固い木材をつくれるような工夫を農水省としては考えている」

 林野庁長官・皆川芳嗣氏 「各省庁で大変先進的な取り組みをして頂いております。今後とも引き続きご努力いただければと思います」

 文部科学省大臣政務官・城井崇氏 「昨年の事業仕分け第三弾の折に農林水産担当の仕分け人を務めましたが、林業関係の取り組みを細かいところまで嫌というほど見せていただいた。利用の促進やコストダウンに関して現場や農林水産省の方々が相当にご努力されていた。その意味で、多様な(間伐材の)利用をこの機会に図り、林業従事者の育成について取り組んでいくとともに、現場の取り組みを支えていくことを併せて頑張りたい」

 国土交通省副大臣・奥田建氏 「法を所管する立場で木材の利用が円滑に進められるように取り組んでいく」

 岩本氏が取り組み情況を踏まえ、各省庁に以下の事項を要請した。

@ 策定計画が未策定の省庁においては、早急な策定をしてほしい

A 各省庁において、低層の建物は全て木造化するという目標に向けて積極的に取り組んでほしい

B 都道府県、市町村方針の策定を基本的には国交省に任せているが、各省庁にお願いする場合もある

C 国、地方公共団体以外が整備する公共建築物においては整備主体に積極的に取り組んで欲しい。擬木も見られるが、本物の木材の積極的利用も明記してほしい

農水省・国交省 公共建築物の木造化で14日会議(12/12)

先が思いやられる公共建築物の木造化 現状報告(12/8)

(牧田 司記者 2011年12月15日)