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唐氏(左)がその場で認めた書「海内存知己 天涯若比隣」を受け取る久米RBAインターナショナル代表(書は、唐時代の詩人・王勃が友人を見送った際に詠んだ詩で、「心の知れた友がいれば世界のどこにいても近しく感じる」という意味だそうだ。京王プラザホテル東京で)

杉並区高円寺「RBAプラザ阿波おどり館」1/11まで

RBAインターナショナル

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挨拶する唐氏

 文化・芸術・スポーツなどを通じて世界平和の実現を目指すRBAインターナショナル(代表:第三企画代表取締役・久米信廣)と中国人民対外友好協会国際芸術交流院は2018年12月13日(木)~2019年1月11日(金)、日中平和友好条約締結40周年を記念して、中国の著名な書道家・唐思領氏の作品展「藝述中国之旅―唐思領書道展」を杉並区高円寺の「RBAプラザ阿波おどり館」で開催している。

 展示されている唐氏の作品は約30点。楷書・行書・篆書(てんしょ)を駆使し、一度墨を付けたら最後まで描き切る〝一筆書き〟や利き腕ではない左手書き作品などが会場いっぱいに展示されている。

 唐氏は、「書は書き直しができないから難しい。一挙に500字を書くこともあれば、1日6,000字くらい書くこともある。わたしが尊敬するのは師事した沙曼翁の他では啓功(けいこう)」などと話した。

 唐思領(Tang Siling)氏は、1954年4月中国河南省生まれ。中国書道大師沙曼翁氏の内弟子。中国人民対外友好協会理事・中友国際芸術交流院副院長、中国日本友好協会理事など。主な作品展・受賞は1995年「第三回中国書壇新人作品展」、1996年「中日書道交流展」優秀賞、1998年「九八中国現代書画芸術大会」金賞、2007年「毛沢東詩詞 全国書画大会」金賞など。

◇       ◆     ◇

 「書道展」開催を祝うセレモニーに来賓として登壇した公明党衆議院議員・太田昭宏氏は「日中関係がよくなかった2002年、4人組と呼ばれた野中広務氏、古賀誠氏、二階俊博氏とともに関係改善のために訪中したとき、敦煌を訪れ、書画など芸術・文化交流が必要なことを身をもって体験した。今日は『唐』先生と『(西村)東軒』先生(日展会員、読売書法会常任理事)という2人の異なる『トウ』先生がいらっしゃる。わたしは『公明党』。この親父ギャグはちゃんと(中国語でも)伝わるのでしょうか」と笑わせながら、「この日(13日)は、書を通じて日中平和友好条約締結40周年を祝うという歴史的な日」と讃えた。

 唐氏は、「わたしの個展が開催されて光栄。わが国の書道は三千年の歴史があり、その独特の書き方や視覚的な表現は芸術です。また、漢字と書は中日交流の重要な絆です。書道展を通じ日本に漢字・書を広め、交流し学びあうことができれば幸い」などと語った。

 ※「唐」は中国語で「táng 」、「東」は「dōng」、「党」は「dǎng」と発音することが通訳から説明された。わが国には同音異義語がたくさんあるが、中国発音がそれぞれ異なるケースが多い。

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唐氏が書かれた「中日友好 世界平和」の書を受け取る太田氏

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 唐氏に「わが国では毎年、一年間を漢字一文字に現わすとどのような字になるかをお寺のお坊さんが毛筆で大書きするイベントがあります。今年は『災』が選ばれました。中国でこれに相当する字はどうでしょう」と質問した。

 唐氏はしばらく考えた末、「福です。企業も家庭もです」と答えた。

 記者は絶句した。確かに中国は8年前に国内総生産(GDP)でわが国を抜き世界第2位になると、その後は我が国との差を広げる一方で、最近は「一帯一路」戦略が世界を席巻している。「福」というのはその通りだろう。

 一方で、わが国の「今年の漢字」は過去13年間、震・倒・毒・末・戦・災・偽・暑・安など暗いイメージのオンパレードで、前向きな字は「愛」と「新」くらいだ。「福」などと言えばそれこそ〝袋叩き〟にあう。〝禍福は…〟と言われるが、わが国に「福」はやってくるのか。

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「今年の中国の漢字一文字は福です」

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RBAプラザ高円寺阿波おどり館

RBAプラザ高円寺阿波おどり館のホームページはこちらへ
http://www.awaodorikan.jp/

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左手小指にネイルを施してもらう記者

 「女もすなるネイルといふものを、男もしてみむとてするなり」-それこそ清水の舞台から飛び降りるような勇気を奮って、記者はオープンしたばかりの「RBAプラザ」に赴き、左手の小指1本にネイルを施してもらった。要した時間は約15分。料金は1,000円だった。

 断っておくが、記者はすべてが貧弱にできており男らしくはないが、女装趣味など全くないし、自傷しなければならないほど心を病んでもいない。

 ネイルは爪に傷をつけるわけではないのだろうが、せっかくお母さんからもらった美しい手にあれやこれやどぎつい色を塗りたくる女性の心理がまったく理解できない。独身ならまだしも、お母さんがそれをやったら赤ちゃんは卒倒するのではないか。

 ましてや、男の記者が10本の指の爪すべてをネイルで覆い隠せば間違いなく変人とみなされる。電車に乗ったら避ける人もいるはずだ。

 そんな勇気はない。金額の問題でもない。若い女性に手を握ってほしいという欲望などとっくの昔に捨てた。

 それでもなぜ破廉恥極まりない勇猛を揮ってネイルを経験したのか。

 それは、「RBAプラザ」のお客さんにはセルビアコーヒーが振る舞われるのでそれを飲みたかったのも理由の一つだが、最大の目的はセルビアの子どもたちに記者の心を伝えることだ。それ以上でもそれ以下でもない。

 以心伝心。赤くなるほどの羞恥心を覚えチクリとした痛みを感じながら、小指ほどの想いをセルビアの子どもたちに届けたかったのだ。

 店内には、プロのフラワーデザイナーの手による咲き掛けのサクラと小振りな赤いバラ10本、可憐な白のユキヤナギ、花言葉は「希望」のムギをあしらった生花が春を告げていた。

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分かりづらいだろうが、確かに小指の爪はキラキラと輝いた

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 ネイルをする技術者ネイリストは、記者が差し出した左手の小指の爪にヤスリやらセラミックプッシャーやらとげ抜きに似た甘皮ニッパーやらを用いて形を整え、そして透明なジェルを塗り、ライトを当てて乾かした。

 ドキッとしたのは、ジェルを塗り重ねるときだった。真冬というのに恥ずかしさと持ち前の好奇心ですっかりのぼせ上った記者の左手を、ネイリストは団扇のように2度、3度、素手であおいだ。得もいえぬ冷風が心を鎮めてくれた。

 ネイルが流行り出したのは6~7年前。最近は女性だけでなく、男性も営業マンや結婚式の前にする人が増えているという。ジェルは基本色だけで49色あるそうだ。アートにもよるが、女性の場合は、指1本1,000円くらいからだそうだ。

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 セルビアをもっと知るため、セルビア出身の作家ダニロ・キシュ(1969-1994)の代表作「若き日の哀しみ」(東京創元社、訳・山崎佳代子氏)を図書館で借りて読みだした。間違いなく良書だ。読み終わったら読後感想文を紹介したい。

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春を告げる生花

 

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