Daisan Kikaku Inc.
 
2015/06/17(水) 00:00

第三企画・RBAプラザに「久米的図書カフェ」オープン 約1200冊が閲覧可能

IMG_0386.jpg
「RBAプラザ」にオープンした「久米的図書カフェ」

 新宿区・新宿アイランドの「RBAプラザ」に「久米的図書カフェ」がオープンした。同プラザを運営する第三企画・久米信廣代表が蔵書の中から自薦した約1,200冊が収められており、セルビアコーヒー(100円=社会貢献活動のため無税)を注文した人は自由に閲覧できる。

 ジャンルはまちまちで政治、経済、経営、文化・文明、人生、哲学、小説まで多岐にわたっている。

すべて読むには数年かかりそうだが、同プラザ関係者は、借りたい人や譲ってほしい人に対応するためどうするか検討中という。

 久米は毎日数冊をかばんに入れているくらいの読書家だ。中野に本社があったころ、蔵書を一度見たことがあるが、20坪くらいのスペースにまるで図書館のような書架いっぱいに書籍が収蔵されていた。稀覯本もあったような気がした。おそらく蔵書は数千冊どころか1万冊くらいあるのではないか。

◇       ◆     ◇

 記者はこの「RBAプラザ」に図書館がオープンしたのを全くしらなかった。セルビアコーヒーを飲みにいって、床から天井までびっしり書籍で埋っていたのに仰天した。ここ30年間、小説しかほとんど読まないが、背表紙だけでも手に取って読みたくなるか、お勧めしたいような魅力的なものばかりだ。以下にいくつか紹介する。

・「漢詩の人間学」(守屋洋)
・「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(加藤陽子)

・「世界一の庭師の仕事術」(石原和幸)

・<生きる意味>を求めて」(V.E・フランクル)

・「陽だまりの樹」(手塚治虫)

・「文明」(ニーアル・ファガソン)

・「新装版 徳川家康」(横山光輝・山岡荘八)

・「広告を変えた男」(デイヴィッド・オグルヴィ)

・「名門!第三野球部」(むつ利之)

・「連帯と共生」(津田直則)

・「福翁百話」(福沢諭吉)

・「最初に飛び込むペンギンになれ」(日経情報ストラテジ編)

・「字書を作る」(白川静)

・「永遠に女性的なもの」(篠沢秀夫)

・「野村の実践『論語』」(野村克也)

・「日本人らしい生き方」(林田明大)

・「堕落する高級ブランド」(ダナ・トーマス)

・「モンサント」(マリー=モニク・ロハン)

・「愛の作法」(姜尚中)

・「ふくわらい」(西加奈子)

・「堀辰雄福永武彦中村真一郎」(河出書房新社日本文学全集)

・「モモ」(ミヒャエル・エンデ)

・「夜這いの民俗学夜這いの性愛学」(赤松啓介)

・「バカを治す」(適菜収)

・「鳥の仏教」(中沢新一)

◇       ◆     ◇

 同プラザのスタッフが記者に勧めたのは「バカを治す」(適菜収)だった。これには絶句した。スタッフはわたしをよく観察している。人を見る目は確かだ。

 記者のお勧めは「堀辰雄 福永武彦 中村真一郎」(河出書房新社)だ。中村真一郎はそうでもないが、堀辰雄や福永武彦は若いころ夢中で読んだ。

 タイトルは忘れたが、福永武彦の小説の一節をぱくってラブレターを送ったことがある。彼女は感激のあまり滂沱の涙を流した。(もう時効だが、その彼女には見事に振られ、捨てられた)

 もう一つお勧めは「夜這いの民俗学夜這いの性愛学」(赤松啓介)だ。この本は読んだことがないが、「夜這い」(地方によってはヤバイとも読む)はわたしが生まれる前、明治、大正時代(昭和の時代もそうだったかもしれないが)はきちんと機能していた。

 昔の恋愛はかなり自由だった。恋人が忍び込んでも、親は黙認したようだ。ガタゴト音がする玄関や背戸の引き戸を黙らせるために水を流すなどの知恵を働かせたという。

◇       ◆     ◇

 早速、特別に許可をもらって「鳥の仏教」を借りて途中まで読んで投げ出した。

 借りた理由は、哲学者の中沢新一氏に興味があったのと、タイトルが素敵だったからだ。鳥の世界にも仏教が信じられているのかと真に受けたからでもある。

 中身はそうではなかった。仏陀の教えを鳥になぞらえて民衆に説くチベット語で書かれた経典のようにもので、ものすごく優しく読める。鳥のカラーの挿絵もたくさんある。

 投げだしたのは、カラスが登場する場面についていけなかったからだ。こんな一節がある。

 「ついでカラスが立ち上がりました。カラスは大きな羽を高くかかげて、ちょんちょんと横飛びをしたのち、大きな声で『トッキョン、トッキョン』と鳴きました。これは『救いが来ます』という意味の言葉です。」

 ニワトリが英語では「クックドゥードゥルドゥー(Cock-a-doodle-doo)」と鳴くと中学の授業で教わりびっくりしたが、これは何となく分かる。

 しかし、どうしてチベットのカラスが「トッキョン、トッキョン」と鳴くのか。いくらカラスが真似ることに長けているとはいえこれはないと思った。挿絵を見たら、頭の部分と羽は黒いのだが、胴の部分は白だった。チベットのカラスの胴がどうして白いのか! カラスの勝手などと言わせない。まあ、しかし、今の若者が「ヤバイ!」と叫ぶのだからカラスがどう鳴こうがカラスの勝手か。

 このほか、この書物には鳥の鳴き声として、ツルは「スンゴー」、雁は「ゲントゥ、ゲントゥ」、セキレイは「ティンリン」、ライチョウは「ゴカー」(別のライチョウは「ティクメ」))、ハトは「イムク」、フクロウは「ウトゥ、ウトゥ」(また別のフクロウは「ウッカン」)、雄鶏は「エゴー、エゴー」、ヒバリは「キッキュル」、山ウズラは「トテイン」、ヤツガシラは「ミジュカツァ」…。

 韻を踏んでいて読むのにはいいかも。

IMG_0381.jpg

IMG_0383.jpg

 

 

 

ayumi.gif

 

 

 
ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン