Daisan Kikaku Inc.
 
2013/09/18(水) 15:51

【水なし印刷】導入で環境負荷低減と品質向上を実現

第三インプレッション㈱(印刷工場)では、本年6月から水なし印刷を導入しました。
水なし印刷の導入に関して、9月19日(木)発行の「印刷新報」紙に記事が掲載されます。
以下、記事の本文を掲載します。

 

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水なし印刷導入で損紙大幅削減

見当合わせ15分短縮

乾燥力向上で刷了即断裁へ

 

  住宅不動産業界にかかわるマーケティング事業を展開する第三企画(久米信廣社長、本社・東京都新宿区、グループ従業員数78人)は、チラシ印刷を主とする グループ企業の第三インプレッションで今年6月から水なし印刷を開始した。従来から使用してきた2台の四六全判8色機を相次いでリノベーションさせ水なし専用機化し、大幅な損紙削減や材料費のコストダウン、乾燥時間の短縮による迅速な断裁・積荷の実現等の実施効果を得ている。24時間フル稼働体制の中で、 見当性向上による立上げの早さがオペレータの作業性も大きく引き上げた。

 

◆従来機2台を水なし専用機化

  第三企画の創業は1980年。マーケティング支援の一環として同社では、傘下の第三インプレッション(旧・第三印刷)で不動産チラシの量産体制を担ってき た。アキヤマ製Jprint44、四六全判8色機2台が稼働してきたが、近年、不動産物件売買の競争が激化し、折込チラシ印刷に対するクライアントの要求も、納期の迅速化、品質の差別化、環境負荷低減など厳しさを増してきた。そこで浮上してきたのが、水なし印刷という選択肢だった。

 かねてより水なし印刷に関心を持っていた久米社長は、「私は印刷技術の詳細を知るわけではないが、東レの水なし平版について学ぶうちに、世の中への貢献を第一に 考える当社の姿勢と相通じるものがあると理解した。あらゆる面で環境負荷を低減すると同時に、水なし印刷で大幅なコスト削減や納期短縮、品質向上を実現で きると確信するに至った」と話す。

 同社は、東レと綿密な打合せを進めながら、第三インプレッション川口工場(埼玉県川口市)にある既存の 枚葉印刷機を水なし専用機にリノベーション(改修・復活)させ、現状の生産体制のまま工場の活性化を図ることを決断した。そして今年6月1日、まず稼働8 年のJprint44から実施した。

 採用条件は「刷了後5分で断裁」という厳しいものだったが、東レの技術陣は適切な仕立てと水なし即乾 力インキ(T&K TOKA開発)を使い、この課題をクリア。ベタ面積の多い不動産チラシでも5分以内での断裁を可能にした。ブラン下にフィルムを採用 し、ハード化する水なし特別仕立てとして、着肉性を改善、乾燥性を向上した。

 続けて7月中旬には同型である稼働6年の2台目を水なし専用機化した。わずか2ヵ月の間に2台の印刷機を新台並みに復活させ、月平均4000版を装着している。

  印刷機1台あたりのオーバーホールに要したのは約1週間。この間、昼夜交代で疲れているにもかかわらず、オペレータは非番の時にも自ら改修の様子を見て学び、それがそのまま水なし印刷切替えの実地教育となった。何の問題もなくスムーズに移行できたのは、まさに日頃のチームワークあってこそだった。

 

◆損紙代1千万円削減を視野に

  川口工場では、機械最速の1万1000回転で印刷したチラシを、待ち受けていたフォークリフトがパレットごと断裁機の前に運び、断裁を始めるまで5分。3 台の断裁機が次々に処理し、梱包されたチラシが待機していたトラックに積荷されるまで20分という短納期対応を実現している。

 柴尾清人執行役員工務・総務部長は、水なし印刷導入の効果について「立上げの早さが以前とは違う。見当合わせに要する時間が15分短縮し、損紙率が5%減少した。月に500トンもの紙を仕入れる当社にとって、この損紙削減効果は非常に大きい」と話す。

  同社では、順調に稼働が進んだ場合、年間1000万円もの損紙削減を見込む。材料費のコストダウン(現像薬品、廃液回収費、水棒の巻替え等の費用で35% 削減)や作業時間の短縮などを合わせると、経営への貢献度はさらに大きなものになる。加えて、リノベーションにより蘇った印刷機の10年以上の稼働年数延長もある。

 現場をあずかるオペレータにも変化はすぐ表れた。「予定していた刷了時間よりも早く印刷できるようになったため、断裁、梱包、積荷の時間に追い立てられての作業から解放された。その分、集中力が高まり、全体への目配せもできる」と柴尾部長は話す。

 品質面でも、水なし印刷特有のコントラストの良さにより、特にベタ部分の白抜き文字の鮮明度や、不動産物件の写真の質感などが向上した。

 現在、不動産チラシは、消費増税前の駆込み需要などもあり好調だが、情報アクセスが容易な電子媒体の成長が今後の脅威であることは間違いない。

 不動産チラシに特化する第三インプレッションは、印刷物ならではの臨場感による訴求効果をさらに高めるべく、工場における温湿度管理の向上などにより、水なし印刷の利点を最大限に活用していく。

 

◆カーボンオフセットの推進も

 第三企画は、水なし印刷の普及に取り組む一般社団法人日本WPAにも入会した。CO2排出量の少ない水なし印刷と合わせて、生産工程で発生するCO2排出量を印刷物に記載するカーボンオフセットをクライアントに積極的に推進する予定でいる。

 「企業活動は世のため人のため。良いことはどこまでも推進します。」と話す久米社長。今後も、環境負荷、作業負荷の少ない水なし印刷への取組みを追求し、住宅不動産業界のマーケティング活動を支えるリーディングカンパニーとしての地位をより確かなものにしていく考えだ。

 

※『印刷新報』9月19日付掲載

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