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 「プラウド船橋」一部完成 全1,497戸が即日完売の可能性大

三菱商事・野村不動産 「船橋森のシティ」見学会


完成した「プラウド船橋」T・U街区

 三菱商事と野村不動産は3月22日、「スマートシェア・タウン構想」に基づいて開発を進めている両社JV大規模マンション「プラウド船橋」を含めた街の総称「船橋森のシティ」の記者内覧会・説明会を行った。

 「スマートシェア・タウン構想」は、先進の環境技術、ITネットワーク技術を活用し最先端の都市システムを構築するとともに、居住者の「絆」を創出する仕組みやきっかけをつることでハード・ソフト両面で継続的に環境価値を高めていく街づくりを実践するもの。

 具体的には、両社をパートナーシップ企業とする街づくり参加企業で@街の人々が楽しみながら自然環境の保全に参加できる交流の機会を用意し、地域コミュニティの育成を図る「グリーン・シェア」A省エネ対策やEV利用を促進する「エコライフ・シェア」Bクラブハウスを設け、多様な学びのニーズに対応する「ラーニング・シェア」C街の人々の健康維持・向上に寄与する仕組みを構築する「ライフサポート・シェア」D防犯・防災対策を徹底する「セーフティ・シェア」−の「5つのシェア」を推進する。マンション居住者、戸建て自治会、イオン、京葉銀行などで構成される「森のシティ街づくり協議会」も発足させた。

 見学会では、完成した「プラウド一街区・二街区」のHEMSやMEMSを活用したエネルギーマネジメント、電気自動車・電気自転車を導入した「 EV モビリティタウン」の取り組み、非常災害時の電源確保システム、エネルギーの見える化、街づくり運営の取り組み、クラブハウスなどが紹介された。

 野村不動産は、マンション全体のエネルギーをコントロールするシステム「MEMS」を同社のMEMS管理センターで一元管理・コントロールして省エネを図る「enecoQ」を今回の「プラウド船橋」を皮切りにプラウドシリーズ年間約2,000戸に導入していく。

 「船橋森のシティ」は「プラウド船橋」、イオンモール、船橋総合病院、戸建て42戸などからなる総敷地面積約17.6ha。マンションはT〜X街区から構成される全1,497戸。昨年7月から分譲されており、昨年末までにT・U・V街区の943戸が即日完売しており、先に分譲されたX街区1期250戸も即日完売している。T・U街区の入居は3月26日から始まった。

  
電気自転車のバッテリーが非常用電源になることを説明する担当者(左)とEVモビリティについて説明する担当者

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 このマンションについてはこれまでも書いてきたのでそちらを参照していただきたい。驚異的な売れ行きにびっくりしているのだが、完成した建物の充実ぶりにも驚いた。当初は、船橋駅からやや距離があるため完成までには売れないと読んでいたが、この分だと来年の全体完成までに売れるのは間違いない。

 共用部分が充実しており、ランドスケープデザインがいい。地区計画ガイドラインにより歩道をステップバックさせ、緑地帯を設置するとともに、メインストリートに面したT街区とU街区の建物はシンメトリーに配することで美しい街並みを形成している。一部鉄塔の地中化も行う。建蔽率は50%に抑えている。

  
中庭(左)とメインストリートの歩行空間・植栽帯

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 コミュニティの取り組みについてひとこと。クラブハウスは3階建て延床面積約756uで、建築家の南條洋雄氏が設計したものだ。屋上緑化を施し、太陽光パネルも設置している。非常時は対策本部となる拠点だ。

 難しいのはコミュニティ活動の位置づけだ。区分所有法とコミュニティ活動については賛否両論がありいろいろ論議されている。「プラウド船橋」も苦慮しているようだ。クラブハウスは当然、管理組合の共有財産なので管理・運営は組合が行うが、「森のシティ街づくり協議会」はそうはいかない。マンション外の企業や戸建て自治会なども参加するため、こちらは任意加入としている。会費は月額100円(企業会員は20,000円)。一人ひとりに話して納得のうえ加入してもらっているという。

 マンション管理とコミュニティ活動については当欄でしばしば書いてきたので省略するが、マンションの価値はそのマンションのみの財産管理だけでは向上しない。地域全体、街全体で価値を上げていく取り組みも大切だ。その意味で先に高層住宅管理業協会やマンション長寿命化協議会がマンション管理適正化法の改正を打ち出したのは大正解だ。

   
クラブハウス外観と1階部分のラウンジ

記者が選んだ2012年 ベスト3マンション(2012/12/25)

(牧田 司記者 2013年3月27日)