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大京 穴吹工務店株を 307億円で取得 子会社化

 大京は 3月11日、穴吹工務店の株式を取得し、子会社化すると発表した。取得額は307億円。株式取得日は平成25年4月1日の予定。

 穴吹工務店は平成22年9月に東京地裁から会社更生計画の承認を受け再建に取り組んできたが、同日付けで更正手続きの終結の申し立てを行った。

 同社はこれまで地方中核都市を中心にマンション事業を展開してきており、約1,300棟、約77,000戸の供給実績がある。また、子会社、穴吹コミュニティを通じてマンション管理事業も行っており、約6.8万戸の管理戸数がある。仲介会社も西日本中心の穴吹不動産センターがある。

 大京は、同社株式を取得することで、地方都市でのマンション事業の顧客基盤を融合できること、大京グループ約44万戸のマンション管理受託戸数を合わせると50万戸を超える規模となること、施工技術や工事監理業務を大京グループのリノベーションやリフォーム事業へ生かすことができるなど様々なシナジー効果が期待できるとしている。

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 昨年末に、一建設グループ6社が合併すると発表したときほどではないし、あるいはという考えもあったが、やはり驚いた。穴吹が会社更生を申請した主な理由は事業環境も悪化はしていたが、当時の社長の独断専行にあった。それまでは穴吹興産やマリモなどと地方でのマンション事業でしのぎを削ってきた実績は大きい。多くの職人も抱えている。職人を通じての紹介によるマンション購入の比率の高さに驚いたこともある。

 その意味では、確かに大きなシナジー効果もあるはずだ。最近は供給エリアを3大都市圏に絞ってきた大京にとって全国47都道府県を網羅することになる。施工部門を持つことの意味も大きい。マンション管理分野やりフォームなどはさらに成長が見込める。ただ、一度、地に落ちた「穴吹=サーパス」ブランドをどう引き上げるのか、その課題も大きい。

 記者は地方のマンション市場はよく分からないが、「ライオンズ」ブランドは今でも地方ではトップクラスであるはずだ。首都圏での商品企画もここ数年で格段に進歩した。「ライオンズ」の商品企画をさらに浸透させ、「サーパス」ブランドを再構築できるなら旋風≠巻き起こせるかもしれない。

穴吹工務店が更正法申請 破たんの原因は内にあり(2009/11/25)

(牧田 司記者 2013年3月11日)