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 新日鉄興和不動産 都市型マンション「レゾン」また一挙6物件

「リビオレゾン千代田岩本町」は1フロア2戸のファミリー


「リビオレゾン千代田岩本町ザ・レジデンス」完成予想図

 先日、新日鉄興和不動産が東京駅1〜3q圏内に都市型マンション「リビオレゾン」シリーズを中心に6物件240戸を一挙に販売すると発表したが、そのうちの一つ「リビオレゾン千代田岩本町ザ・レジデンス」を見学した。

 物件は、東京メトロ日比谷線小伝馬町駅から徒歩4分、都営地下鉄新宿線岩本町駅から徒歩5分、 JR 総武線快速新日本橋駅から徒歩6分、JR山手線・京浜東北線・中央線神田駅から徒歩8分、千代田区岩本町1丁目に位置する13階建て全24戸の規模。専有面積は70.38・73.14u、予定価格は5,400万円台〜6,500万円台(最多価格帯5,600万円台)、坪単価は275万円。竣工予定は平成25年10月末。設計・監理はコモン・リンク 一級建築士事務所。施工は新日本建設。販売代理は東急リバブル。

 物件の最大の特徴は、概要でも分かるように都心4駅が徒歩10分圏内で1フロア2戸(2戸1エレベータ)の千代田区アドレスのファミリーマンションであることだ。

 千代田区のマンションといえば圧倒的な人気で完売した「ワテラスタワー」やいま分譲中の「パークコート千代田富士見」があるが、単価は坪400万円をはるかに超える。70uのファミリーマンションなら最低でも9,000万円だ。

 一方、今回の「千代田岩本町」は一等地ではなく、しかも敷地面積が303u(91坪)の狭小敷地だ。しかし、それでもその狭さを巧みに利用し、1フロア2戸とし、住戸の間口も約9.6mと約13.3mのワイドスパンを実現した。単価もリーズナブルな価格に抑えている。また、敷地の南東側には23階建てのタワーマンションが建設されるが、その日影の影響を最小限に抑えるようプランに工夫を凝らしているという。(記者は日影図を見ていないが1フロア2戸にしてかつワイドスパンにしていることだと思われる)

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 同社は一昨年11月、都市型マンション「リビオレゾン」シリーズを強化すると発表し、5物件を販売開始した。「これまでコンパクトマンション購入層の中心であった20代〜30代の単身・DINKS世帯のみならず、ファミリーを含めたより幅広い層が都心物件を志向する傾向が強くなってきた」背景に着目し、多様なニーズに応えるというのが特徴だった。

 今回のマンションはまさにそうだ。専有面積が40〜50uでも売れたかもしれないが、そうすることで競合物件は数倍に増加するはずだ。あえてファミリーにすることで、地域のファミリーの需要を取り込もうとする戦略は間違っていない。都心=コンパクトという単純な発想は改めたほうがいい。中央区の人形町界隈は人口が激増しているが、単身家族ではなくファミリーの人口増がその主な要因だ。コンパクト型よりファミリータイプが人気なのもエリアの特性がよく現れている。

 前回が5物件180戸、今回が6物件240戸。合わせて11物件420戸だ。わずか1年余りの間にこれだけ供給するのもすごいが、前回発表した物件はほとんど完売状態だというのにも驚いた。

 記者はコンパクト市場は言われるほど甘くないと見ている。同社も前回発表の5物件は完売まで1年かかっていることになる。需要がどこにあるのか読みづらいのがコンパクト市場だ。

 「新日鉄」+「興和」のブランドを掲げ、多様なニーズを掘り起こし吸収する戦略は見事というほかない。内神田の「リビオレゾン大手町」(36戸)など誰が住むのか≠ニ思えるが、空白区を駆け抜けるのか。それにしても重厚長大≠フイメージが強い同社が6物件合わせて敷地面積が約2,265u(686坪)、1物件平均377u(114坪)のマンション用地を取得する情報ルートが知りたい。

激化するコンパクト市場 新日鉄都市開発が開発強化(2011/11/1)

(牧田 司記者 2013年2月5日)