RBA HOME> RBAタイムズHOME >2012年 > 三井不動産レジデンシャル 最高品質レベルの「パークコート六本木ヒルトップ」竣工 ![]() 「パークコート六本木ヒルトップ」 |
三井不動産は8月21日、分譲マンションとしては東京都初の「長期優良住宅」認定を取得した「パークコート六本木ヒルトップ」が竣工したのに伴い竣工見学会を行った。昭和40年代に竣工した「麻布ハウス」の建替えを中心とする再開発事業「六本木一丁目南地区第一市街地再開発」によるもので、最高レベル品質マンションといえそうだ。 物件は、東京メトロ南北線六本木一丁目駅から徒歩3分、港区六本木一丁目に位置する27階建て全270戸(分譲は213戸)。専有面積は45.18〜151.99u。竣工は平成24年8月。設計・施工は清水建設。監理は佐藤総合計画。売主は三井不動産レジデンシャル。同社は平成21年から参加組合員として事業参画している。 ◇ ◆ ◇ この物件については、分譲開始時に記者発表&モデルルーム見学会が行われているので、その記事を参照していただきたいが、現在、190戸が供給されほとんどが販売済みだという。坪単価が500万円という高額物件にしては売れ行きは極めて好調ということができる。 現時点で最高品質マンションであると、最初の見学会のときも書いたが、このことが誤りでないことが確認できた。 まず第一に、外構、地域共生について。総合設計制度の適用を受けているためだろうが、建物の外周部は周囲の街並みと調和するよう緑で囲われていた。見事というほかない。まだ建設したばかりというのに周辺の街路樹より立派な樹木が植わっていた。災害時には帰宅困難者に防災備蓄品やマンションの共用部を提供することも管理規約に盛り込んでいる。 第二は、建物の品質、空間づくりだ。劣化対策を施し、耐震性、維持・管理の容易性、省エネ性などが優れているから長期優良住宅認定を取得したのだが、記者が注目したのは階高だ。 階高は2〜14 階が3,400ミリ(最高天井高2,550ミリ)、15〜26階が3,450ミリ(同2,600ミリ)、27階が4,150ミリ(同3,000ミリ)だ。同社のマンションだけでなく、おそらく首都圏でこれほど階高を確保したマンションは他にないはずだ。廊下や洗面室などの天井高も2,400ミリぐらい確保され、ドアの高さも最大で2,800ミリあった。ドアの小口の幅は約4.5センチもあった。清水の制震システムを採用することで順梁工法と逆梁工法の良さを併せ持つガラス手すりとハイサッシを実現したのも特徴の一つだ。 同社は「経年優化」という言葉を事業理念として以前から掲げているが、このマンションも時代を経るごとにその価値が評価されるに違いない。 ![]() ![]() プロムナードガーデン(左)とガーデンエントランスホール(ホールの高さは7.8m。壁面には銘石・庵治石が一面に張られていた) ◇ ◆ ◇ 見学会に出席した記者の中から「廊下が狭い」「ドアの幅が狭い」などといった声が上がった。いかにみんな低い天井の住宅に住んでいるかの証左なのだが、これは笑えることではない。記者もそう感じた。だとするならば、天井高と建具の寸法、住まい心地は密接な関係があるはずだ。 最高天井高が2,400〜2,500ミリと2,600ミリとでは居住性能がどう違うのか、住まい心地はどう違うのか、天井高と建具の寸法はどうあるべきなのか、だれか研究しないだろうか。記者はいつもこの階高(天井高)の高さを価格に置き換えることはできないかと考えているが、なかなか答えが出ない。今回のマンションがこれほど高い階高となったのは、当初の地権者らによる計画がそうなっていたからのようだ。
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(牧田 司記者 2012年8月21日) |