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現段階で最高品質のマンション

三井不動産レジデンシャル「パークコート六本木ヒルトップ」


「パークコート六本木ヒルトップ」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルは11月16日、港区六本木1丁目で開発を進めている再開発マンション「パークコート六本木ヒルトップ」のモデルルーム見学会を行った。設備仕様レベルは同社の「パーク・マンション」に負けるかもしれないが、東京都のマンションで初めて「長期優良住宅」認定を受け、都の「マンション環境性能表示」制度でも 2 物件目の満点の「星3つ」を獲得するなど、基本性能・居住性能では現段階で最高レベルのハイクォリティマンションといえそうだ。第1期分譲は11月 26日から開始される。

 物件は、東京メトロ南北線六本木一丁目駅から徒歩3分・同日比谷線神谷町駅から徒歩8分・同六本木駅から徒歩10分、港区六本木1丁目に位置する27階建て全270戸(一般分譲213戸)の規模。専有面積は45.18〜151.99u、1期(101戸)の価格は5,780万〜42,000万円(中心価格帯5,800万円台・9,200万円台)、坪単価は500万円。竣工予定は平成24年9月下旬。設計・施工は清水建設。監理は佐藤総合計画。登録受付期間は11月26日 (土) 〜12月4日 (日) 。

 主な特徴は、@高い利便性と良好な住環境を備えた六本木一丁目に位置A東京都内の分譲マンションで初の「長期優良住宅」認定B清水建設の先進の制震構造、非常用自家発電システムや防災倉庫などの充実した災害対策Cエネルギー対策D「正統な邸宅」をイメージした上品で優雅な外観・共用部デザインE高い躯体天井×順梁構造により広々とした専有空間を実現−−など。

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 都内初の「長期優良住宅」認定を受け、これまた都で2物件目(もう1物件は野村不動産の「東雲」)の「マンション環境性能表示」制度で満点の星3つを獲得しているから言うわけではないが、基本性能・居住性能では最高レベルのマンションだ。

 記者がもっとも注目したのは、階高(天井高)だ。「シミズハイブリットコアウォール制震システム」を採用することによって、標準階の階高は3,400〜3,450ミリ、最上階は4,150ミリ確保。このため廊下、キッチンの天井高も最低でも2.,350ミリ確保している。階高が高いため順梁でも柱・梁型が出にくいため天井までのハイサッシなどすっきりした居住空間が可能になっている。ペントハウスの天井高は3,000ミリだ。

 これまで、最上階などの特殊住戸では階高が3メートル以上なのはたくさんあるが、標準階の階高が3,400ミリ以上というのはあまり見たことがない。記者の知っている物件では、野村不動産が3年前に分譲した「プラウドタワー東五反田」の階高が3,410ミリだった。今回はそれを上回る。

 長期優良住宅認定を受けているため、住宅ローン控除対象限度額が3,000万円から4,000万円に、最大控除額が300万円から400万円にそれぞれ拡大され、最長50年の住宅ローン「フラット50」の金利優遇(0.3%金利引下げ)の期間も当初10年間から20年間に延長される。

 環境対策としては、外周と屋上の一部の緑化を図り、敷地内の散水も雨水を利用する。防災・緊急時対策としては、自家発電による2.9時間の停電時対応を図るほか、帰宅困難者に対しても保存水、毛布などを保管する。

 建物共用部には、手彫りの花崗岩のダイヤ≠ニ呼ばれる庵治石を採用したカスケードホールを設置する。専有部の最上階フロア6戸については同社の高級マンション「パーク・マンション」と同レベルの設備仕様となる。

   
ガーデン                            カスケードホール

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 単価も安いと思う。「単価が安い」と書くと、同社の松本社長に怒られるのだが、基本性能・居住性能を考えると、単価は安いといわざるを得ない。ただ、億ションが全体の4割あるというから、グロスはやはり張る。このレベルの高さをどうユーザーに訴えるかだろう。1期で101戸を供給するぐらいだから、手ごたえはあるのだろう。

 念のために言っておくが、記者のマンションの価値(価格)判断は、その時々の市場環境や立地、相場、基本性能、居住性能などを総合的に判断しているのであって、安い=劣悪とか、高い=高級とかと言っているのではない。


ペントハウスのモデルルーム

(牧田 司記者 2011年11月16日)