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坪単価「400万円台の半ば」  新日鉄都市開発「テラス渋谷美竹」


「テラス渋谷美竹」完成予想図

 約束したとおり、前回の「ザ・神宮前レジデンス」に続き、今回は新日鉄都市開発の話題の建て替え免震タワーマンション「テラス渋谷美竹」を紹介する。

 物件は、東京メトロ半蔵門線・副都心線・東急田園都市線渋谷駅から徒歩1分、またはJR渋谷駅から徒歩3分、渋谷区渋谷一丁目に位置する17階建て全196戸(非分譲住戸68戸含む)の規模。専有面積は33.10〜113.47u、価格は未定だが、坪単価は400万円台の中盤になる模様だ。設計・監理はUG都市建築、施工は熊谷組。竣工予定は平成25年2月上旬。販売代理は野村不動産アーバンネット。

 1959年に東京都住宅供給協会(現・東京都住宅供給公社)が40戸の分譲住宅とオフィス混合の「美竹ビル」を竣工し、老朽化のため2008年に建て替えが決議され、2004年、同社とUG都市建築が事業協力者としてコンペに当選して、分譲されるものだ。

 物件概要でも分かるように、最大の特徴は渋谷駅1分のマンションであるということだ。もともと同駅圏の分譲マンションは玉川通りの南側はともかく、北側では供給事例が極めて少ない。 「美竹ビル」が竣工して以来、実に53年ぶりの「渋谷駅1分」の分譲マンションということになる。

 「渋谷一丁目」に限っていえば、10年ぐらい前に分譲され人気になった三井不動産レジデンシャル「青山パークタワー」(314戸)と藤和不動産(現・三菱地所レジデンス)「渋谷アインス」(167戸)しか記者は知らない。前者は坪473万円、後者は300万円台で、ともに人気になった。「神南」では、東急不動産・サンウッドが5年前に分譲した「クオリア神南フラッツ」(90戸、坪単価456万円)があるぐらいだ。こちらも億ションを除き、瞬く間に売れた。

 免震を採用したのがコンペに当選した理由の一つだが、デザイン性に優れているのも特徴の一つだ。完成予想図でも分かるように、建物はオフィス部分となる3階まではガラスカーテンウォールの外観で、4階以上は2カ所にライトスリットを盛り込んだ「分節」手法が用いられている。分節することで、内廊下の中まで光と風を導く効果も生まれている。外観は、アウトフレームによるグリットとホワイトタイルの縦と横のラインが強調されたファサードになっている。

 もう一つ強調したいのは、モデルルームのデザインだ。モデルルームは共用部分のデザインも監修している「GRADE」によるものと、三井デザインテックの黒須理枝氏による2タイプがある。前者は62uのもっとも多い住戸のもので、大理石、御影石をふんだんに用い、リビングの壁面を飾り棚と天然石のカウンター&下部収納を提案しているのが目を引く。パウダールームには陶器ボウル、モザイクタイルを採用するなど全体のグレードも高い。

 黒須氏が担当しているのは15階以上のプレミアムルームで、サテンウォルナットの木目を強調した建具・面材とチーク材の突き板フローリングが絶妙だ。ウォルナットを用いた建具・面材はこれまでたくさん見てきたが、木目をこれほどトータルな形でデザインに取り込んでいるのを初めて見た。見事というほかない。レザー張り(人造だが)ドアハンドル、隠し蝶番を採用するなど、細部にもこだわっている。もちろん、全体の設備仕様はきわめて高い。

 黒須氏は、これまで「パークコート麻布十番ザ・タワー」「パークシティ浜田山」「広尾ガーデンフォレスト」を手懸けているようだが、今回は本人も含め関係者は会心作と考えているようだ。

 コンシェルジュサービスとして、セルリアンタワー東急ホテルや渋谷西武との提携、その他フラワーデリバリーサービス、シューリペア&シューシャインサービス、医療提携サービスも行なう。

 価格はどうか。果たして「渋谷駅1分」が住むところかどうか、周囲はビルが建てこんでおり、商業地域だから南向きでもどこまで日照が確保されるのか(南向きと北向きが半々)は分からないが、「渋谷ヒカリエ」が目と鼻の先で「400万円台の半ば」という単価は、「渋谷が好き」な人にとって間違いなく安い。問い合わせが3,000件を突破し、来場も400件を超えているというのも納得だ。「神宮前」と異なり、30u台、40u台もあり、投資需要も見込めるはずだ。中心は60u台で8,000万円台となる。億ションは10戸ぐらいだという。

 
プレミアム リビング昼(左)と夜

  
エクセレント リビング                        ラウンジ

話題の新日鉄都市開発他「ザ・神宮前レジデンス」(1/11)

(牧田 司記者 2012年1月13日)