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「神宮前」アドレスで坪500万円切る

新日鉄都市開発・三井物産・NTT都市開発「ザ・神宮前レジデンス」


「ザ・神宮前レジデンス」完成予想図

 新日鉄都市開発が話題の建替えマンション「ザ・神宮前レジデンス」と「テラス渋谷美竹」を相次いで分譲する。「テラス美竹」は今週末に見学することになっているので、「ザ・神宮前レジデンス」を先に紹介する。

 物件は、東京メトロ銀座線外苑前駅から徒歩7分、銀座線・千代田線・半蔵門線表参道駅から徒歩9分、渋谷区神宮前3丁目に位置する18階建て全220戸(事業協力者住戸72戸含む)の規模。専有面積は50.03〜128.86u、価格は未定だが、坪単価は400万円台の中盤から後半になる模様だ。竣工予定は平成25年10月上旬。設計・施工は竹中工務店。販売開始は3月中旬。売主は同社(事業比率40%)のほか、三井物産(同30%)、NTT都市開発(同30%)。販売代理は三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス。

 敷地は、昭和32年に竣工した旧住宅公団の分譲マンション「原宿住宅マンション」跡地。従前は4〜6階建て6棟、35〜37uの2DK全112戸から構成されていた。分譲マンションの走りの一つで、老朽化したため建て替えが2010年に決定された。同社は2007年から事業参画しており、豊富な建替え事業実績が評価されたようだ。総合設計制度を採用することで容積率の割り増しを受けている。

 最大の特徴は、「神宮前3丁目」アドレスとしては約9年ぶりの供給という希少性の高いマンションだ。「神宮前」アドレスでも2007年に三井不動産レジデンシャル他が分譲した定借の「パークコート神宮前」ぐらいしかない。同じ外苑西通りには10年ぐらい前に分譲され圧倒的な人気を呼んだ積水ハウス・野村不動産「青山ザ・タワー」がある。

 もう一つの大きな特徴は、建物の南西側は高さ制限20mの第一種中高層住居専用地域に指定されており、開放感が担保されている点だ。建物自体は総合設計の適用を受けているため道路側は高さ制限40mが60mに、南側が20mが30mに緩和されている。

 建物は竹中の制震工法を採用しており、道路側のタワーサイドと南側のレジデンスサイドの2棟構成。ランドスケープデザイナーには団塚栄喜氏を起用しているほか、左官職人の久住有生氏、和紙デザイナーの堀木エリ子氏、照明デザイナーの東海林弘靖氏など著名なアーティストを起用。

 モデルルームのデザインは別府ひとみ氏が担当。128uのプランはSpa room 、Soho&private Barを提案しているほか、ドアや建具の面材にシャムガキを、リビングドアは自動ドアを、キッチンにはシーザーストーン、デザインガラス引き戸などをそれぞれ採用。もう一つの98uのプランも設備仕様レベルは高い。

 もう一つ、紹介したいものがある。3種から選べるドアの一つにナグリ調のドアが採用されていることだ。突き板ではなく(そうだったらとんでもない値になるはずだが)オレフィンシート仕上げだが、重厚感がある。突き板のナグリ仕上げの床は見たことがあるが、ナグリ調のドアは初めてみた。これはヒットしそうだ。

◇    ◆    ◇

 同社の建て替えマンションとしては、昭和61年のわが国初の「上目黒住宅」がよく知られているが、すでに10案件以上あるという。一昨年見学した「横濱紅葉坂レジデンス(旧花咲団地)」もレベルが高かったし、「テラス渋谷美竹」も反響がすごいようだ。今後も同社の建て替え事業に注目したい。

 単価は予想したとおりだった。リーマンショック前だったら坪単価は700万円ぐらいだろうが、今の状況なら500万円を超えるのはどうかと思っていた。低く抑えられたことから50〜60u台は人気必至だろう。すでに約1,700件の問い合わせがあり、年明けから事前内覧会が始まった。

 それにしても、先に紹介した「MID GARDEN赤坂氷川」も今回の「ザ・神宮前レジデンス」もシャムガキが採用されていた。なかなか流通しない建材と聞いているが、商社が攻勢をかけているのか、デザイナーの間で流行っているのか。シーザーストーンもメジャーになってきた。人造大理石に取って代わるのではないか。

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(牧田 司記者 2012年1月11日)