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地球・街・家族との「共生」がテーマ

三井不動産レジデンシャル「パークシティ国分寺」


「パークシティ国分寺」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルは3月1日、国分寺市で開発中の大規模マンション「パークシティ国分寺」の分譲を3月5日から開始すると発表した。販売開始に先立って同日、報道陣向けにモデルルーム見学会を行った。

 物件は、JR中央線・西武国分寺線・西武多摩湖線国分寺駅から徒歩12分、またはJR中央線・JR武蔵野線西国分寺駅から徒歩8分、国分寺市泉町二丁目に位置する8階建て全331戸の規模。専有面積は56.43u〜102.85u、1期150戸の価格は3,780万〜8,760万円、坪単価は243万円。竣工予定は平成24年3月下旬。設計・施工は銭高組。1期の登録は3月13日(日)まで。

 開発コンセプトは「地球」「街」「家族」との「共生」。CO2排出量ゼロを目指す「ゼロエミッション・ゲストハウス」や「ハイブリッド・ソーラーシステム」など、次世代の新基準を目指した様々な環境対応を計画しているほか、「街との共生」や「家族の共生」の視点から様々な取り組みを行っている。

 「地球との共生」では、このほか「蓄電池」「屋上菜園」「エコカーシェアリング」「CO2見える化」「エコクラブ」などを盛り込んでいる。「蓄エネ」は、三菱重工が開発した新製品の次世代リチウムイオン蓄電池システムが初採用されている。天候の悪い日や夜間での活用のほか、災害時には給水ポンプ、エレベーターなどの電力を賄う防災用電力としても運用する。「換気用スリット付玄関ドア」も一部設置されている。

 「街との共生」では、隣接する約10haの広大な武蔵国分寺公園など周辺の豊かな自然と調和するランドスケープとし、「家族との共生」では、『頭の良い子が育つ家』共著者・渡邊朗子氏監修による住戸プラン、多様な共用施設など、幅広い層のコミュニティ形成を図る住空間を提案している。

 見学会で挨拶した同社執行役員開発事業本部都市開発三部長・本藤忠氏は「当社初の中央線沿線での『パークシティ』シリーズで、環境配慮型の新しい提案を行った。業界全体の取り組みとして波及していくことを期待している。また、ハード面だけでなく入居者の方が環境を常に意識していただくような仕掛けも施した。評判も上々で、予想をはるかに越える反響を頂いている」などと語った。

 これまで資料請求は3,500組を超え、この2カ月間で1,000組を超える来場者があるという。

  
すくすくプラン 落書きボード           間伐材を活用した商談ルーム

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 なかなか見所の多いマンションだ。まず、単価だが、「それほど高くならない」とは聞いていたが、坪単価250万円を上回らなかったのは少し驚いた。条件のいい南向きは260万円ぐらいだそうで、西向きなどは220万円ぐらいに抑えられている。記者はかつて同社の幹部から「当社は儲けを独り占めするようなことはしない。入居者への伸び代も残し、ウィンウィンの関係を大事にしている」と聞いている。良心的な値付けだろう。

 記者が強調したいのは、立地環境だ。同物件は大公園に隣接しているが、現地から歩いて10分もしないところに国分寺崖線の湧水がある。信じられないようなきれいな水が湧いており、自然林も残っている。これほど恵まれた環境は都内ではそうないはずだ。

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 「さすが三井」と唸ってしまった取り組みも紹介しよう。一つは、「スモーカーズルーム」、つまり喫煙者用の部屋を共用部分に設けることだ。値上げ後は1日に1箱ぐらいに減ったが、タバコが欠かせない記者は、これを聞いてわが耳を疑った。このような取り組みをするのは業界初だろう。「最近はバルコニーでも副流煙の問題から禁止するところが増えている。そこで、喫煙者にも心置きなく吸っていただくスペースを確保した」とのことで、広さは約16u。ゆったりくつろげるソファもある。

 これには快哉を叫びたい。それにしても専用使用権が認められているバルコニーでの喫煙も禁止するとは、なんとも窮屈な世の中になってきたものだ。車に乗らない記者は、それよりCO2を撒き散らし、動植物に有害な車の排気ガス規制を強化すべきだと思うが、どうだろう。

 もう一つは、同社の社有林の間伐材を用いた販売事務所の商談スペースの設置だ。同社は、北海道に約5,000ヘクタールの社有林を持っていることを最近知ったのだが、保有林の規模では民間では間違いなく上位20社に入っている。間伐材は担当者が北海道まで行って調達したものだそうだ。高級家具にはならないだろうが、集成材もまたいい。来場者はその立派さに驚くはずだ。同社は、自社の事務所などでも間伐材を家具などで使っているそうだ。

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 「家族との共生」では、マグネット機能があるボードや、引き戸1面の落書きボード(3枚セットで15万円とか)、親子ポスト、開閉式扉が提案されている。70uのタイプで主寝室が5畳大しかないのはどうかと思うが、その分、リビング・ダイニングに隣接した5畳大の洋室は親子が「共生」できる仕掛けが施されている。

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 このマンションは、東京都の「マンション環境性能表示」制度の評価4項目で満点の☆15個に2個欠ける☆13個を獲得している。2個欠けているのは「建物の長寿命化」が☆1個しかないからだ。この点について関係者に質問した。関係者は「満点を獲得するには給排水管の点検口を設置することなどが必須要件とされているが、点検口を設けなくても作業的には全然支障がない。当社は、敢えて☆を取るためのことはやらない」と語った。

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 これは行政に言いたいのだが、指摘しておきたいことがある。現地は地区計画が定められており、建築物の絶対高さは「原則として20m」で、「優れた地域環境の創出に特に寄与すると市長が認めた」場合は25mとなっている。同物件は25mに緩和されているが、かなり窮屈なプランになっているのも地区計画のせいだ。

 建築物の絶対高さ規制については、これまでおろかな規制はやめるべきだと主張してきた。百歩譲って設けるなら建築物の1層を3〜3.2mぐらいにして、その倍率にすべきだと思う。その意味では、20mも25mも全く思想がない。


スカイパーク(屋上庭園・農園)完成予想図

「国際森林年」 主要32社の社有林 保有・利用状況(2011/1/24)

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(牧田 司 記者 2011年3月1日)