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三菱地所レジデンス・鹿島建設

「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」

1月7日モデルルームオープン


「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」完成予想図

リチャード・マイヤー氏のモデルルームに驚愕

 三菱地所レジデンスは12月6日、同社と鹿島建設が共同で開発を進めている中央区晴海2丁目のマンション「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」のプロジェクト発表会とレジデンスアリーナ(販売センター)の内覧会を行なった。レジデンスアリーナは、集合住宅の販売センターとしては日本最大級の延床面積約4,400uで、40u台から最大150u台まで 5 つのモデルルームを揃える。年明け1月7日にオープンする。

 「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」は、晴海二丁目土地区画整理事業地内約3.0ha に建設する2棟・総戸数約1,800戸のうちの1期として建設しているもので、都内初の免震による長期優良住宅認定を取得。世界的建築家 リチャード・マイヤー氏が外観のコンセプトデザインを手がけ、プロの料理人の総合監修によるキッチン&パーティースタジオや、キッズルーム、フィットネスルーム & ゴルフレンジなど共用施設を充実させる。

 また、三菱地所グループが展開する「食育丸の内」、都市農山村交流「空と土プロジェクト」などと提携したコミュニティ形成プログラム、マンション入居者専用シャトルバスの運行など、充実したソフト面のサービスも備える。

 また、住宅業界で初めてプロゴルファー石川遼選手と広告出演契約を締結しており、9月1日から物件ホームページをオープンして以来、これまで約3カ月間に問い合わせ件数は3,000件を突破している。

 プロジェクト発表会で挨拶した三菱地所レジデンス八木橋孝男社長は、「1989年に土地を取得してから、徹底的に検討してきたが、世界的な建築家のリチャード・マイヤー氏を起用し、三菱地所設計の設計と事業パートナーの鹿島建設の施工により都心に輝く住まいとして結実した。安心・安全基準を強化したモデルプロジェクトでもあり、ハード・ソフト両面の充実を図った。石川選手の起用は、物件の実力を伝えるにはもっともふさわしいと決断した」などと述べた。

 物件は、都営地下鉄大江戸線勝どき駅から徒歩 11 分、中央区晴海二丁目に位置する49階建て全883戸の規模。専有面積は42.01〜158.20u、価格は未定だが、40u台が2,000万円台〜、60u台が4,000万円台〜、70u台が5,000万円台〜。設計は三菱地所設計。施工は鹿島建設。工期は2010年6月15日〜2014年3月予定。販売開始は2012年2月下旬予定。1期分譲は総戸数の3割以上を供給する予定。


八木橋社長(左)と鹿島建設・山口晧章専務

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 リチャード・マイヤー氏がデザインした特別仕様の150uのモデルルームに入ったとたん、目が正面の壁に釘付けになった。アッシュ(トネリコ)の縦格子が床から約3メートルの天井まで一分の隙もなく張られていた。横幅は10mぐらいあっただろうか。さらに格子はリビングにもつながっており、こちらの幅も7〜8 メートル近くあった。見事というほかなかった。

 驚いたのは、それだけではない。何と廊下幅はリビングに接する部分から反対側の居室ドアのところまで狭まっていたのだ。廊下が長いから狭まって見えるのかと思ったが、そうではなかった。わざとリビング側の廊下幅を約2メートルとり、反対の居室ドアのところまでの廊下幅を1メートルまで縮めていたのだ。販売担当者によると、マイヤー氏は「ギャラリーのような空間」を演出したのだという。廊下の幅が平行でないのは初めて見た。玄関の床も正方形でもなく長方形でもなく台形の形をしていた。

 この見事な縦格子を見て、記者は真っ先に格子を得意とする隈研吾氏の最近作「キャピトルホテル東急」を連想した。わが国のマンションを手懸けるのは初めてというマイヤー氏は、わが国の伝統的な建築様式に挑戦したのだろうと思った。

 また、マイヤー氏は「白」を好むそうで、キッチンの天板、洗面室のカウンターなどはは「マイヤーホワイト」と呼ばれる温かみのあるクリーム色を混ぜた「シーザーストーン」を採用していた。他の建具・面材にも白を多用しているのが特徴だ。シーザーストーンは東急不動産の常設モデルルームで見たのに近い。これは世界的な潮流のようだ。

 マイヤー氏がデザイン監修した外観は、「織り布」をテーマに、縦と横のルーバースクリーンとガラス面によって構成されており、ガラスカーテンウォールの4隅を露出させることでアクセントを与えている。

 
マイヤー氏がデザインしたモデルルーム(左が格子の壁と廊下、右がキッチンダイニング)

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 一番知りたかった単価は「決まっていない」と公開されなかった。まさか坪300万円は下回らないだろうと思うが、上回ってもそれほど高くなりそうもない印象を受けた。

 記者は、このマンションは現段階でわが国の最先端のマンションだと思っている。三菱地所レジデンスに三菱地所設計の設計、鹿島の免震という組み合わせはこれ以上ない。これから2期もあり、高値設定のリスクは避けたいだろうが、同じ晴海2丁目・3丁目では同業他社のマンションも控えているし、将来的には晴海4丁目でも大量のマンションが建設される可能性が高い。そのトップランナーとして堂々と強気勝負してほしい。気になったのは階高が3,030ミリで、折り上げ天井部分は2,700ミリと高いのだが、その他の部分は下り天井がかなりある点だ。

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 シャトルバスなどの交通システムには期待したい。このマンションのネックはやはりアクセスだ。最寄駅の勝どき駅は朝夕のラッシュ時は、隣接するトリトンスクエアの通勤客などでかなり混雑するという。バスも頻繁に運行されるが、やはりこちらも混雑するという。

 晴海に土地を所有する企業などで構成する「晴海をよくする会」が地下鉄の延伸を要望しているが、財政難の折から実現するのは難しい。何かいい方法はないか考えてほしい。記者は「乗合タクシー」制度を活用したらどうかと思うがどうだろう。

  
青竹のボスケ                          低層部 外構デザイン

世界に誇れる隈氏デザインの「ザ・キャピトルホテル東急」(2011/2/25)

エンジニアドストーンが人造大理石に取って代わる?(10/18)

(牧田 司記者 2011年12月6日)