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クォーツエンジニアドストーンが人造大理石に取って代わる?


「クォーツエンジニアドストーン」を用いたキッチン(松下産業提供)

 東急不動産が渋谷東急プラザ7階に設けたマンションブランドの情報発信拠点「BRANZGallery」を見学した。「BRANZ」のコンセプトや世界観、空気感を打ち出す拠点として継続的にブランド発信を行っていく施設で、オリジナルのキッチン・洗面化粧台・バスルームの展示のほか、現在分譲中のマンションのモデルルームなどを備えている。

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 記者が「これはいい」と思ったのは、システムキッチンや洗面台のトップに採用されていた「クォーツエンジニアドストーン」だ。見た目には自然石と変わらないし、グレード感もあった。間違いなく伸びると感じた。担当者に聞いたら新しい商品とのことだった。

 そこで、ネットで検索して真っ先に出てきた高級石材メーカーの松下産業(本社:新宿区)のホームページで調べてみた。クォーツエンジニアドストーン(OKITE)は「天然石の中で4番目に硬度の高い水晶93%からなるイタリア製最高級人造ワークトップ材です。御影石や大理石といった天然石よりも高い硬度を誇り、耐摩耗性に大変優れています。吸水率が極めて低いことも魅力の一つです。インクや油など液体の汚れを寄せ付けることもなく、包丁やスチールウールでも傷が付かないため、衛生面が気になるキッチンやバスルームの表面材に最適です。色柄には多彩なバリエーションがあり、室内の雰囲気に合わせて自由にお選びいただけます。また、その堅牢さから、壁材や床材にも使用できる、用途を選ばない表面材です」とあった。

 確認するために松下産業に問い合わせた。同社商品開発事業室・厚見吉則氏によると「発売したのは3年前(リーマンショックの前後か)。当初は値段が高いことなどから普及が進まなかったが、草の根営業を通じてエンドユーザーに広める努力を行なってきた結果、今年あたりから注目されるようになってきた。値段は一般的な人造大理石より若干高いぐらい。カウンタートップのシェアは人造大理石が半分を占めているが、クォーツエンジニアドストーンは世界的な流れ。どこの展示会でも採用されている。今後、普及ピッチは上がるはず」と期待を寄せていた。

 このクォーツエンジニアドストーンがマンションのモデルルームでごく普通に見られる日はそう遠くないはずだ。(後で分かったのだが、東急不動産の常設モデルルームの商品は松下産業製ではないようだ)

   
松下産業提供  

(牧田 司 記者 2011年10月18日)