RBA HOME> RBAタイムズHOME >2010年 >

「加賀」の再現 今度は定借で 鹿島建設「桜プレイス」


「桜プレイス」完成予想図

 

 鹿島建設が11月上旬に分譲する「桜プレイス」を見学した。記者が3年前、同社の「加賀レジデンス」を見学したとき、「こんな美しいマンション見たことない」と書いたが、今回の「桜プレイス」はその再現だ。しかも、 50年の定期借地権付きだから、都心の需要層にも手が届く価格帯だ。

 物件は、東京メトロ副都心線雑司が谷駅から徒歩8分、又は東京メトロ東西線 高田馬場駅から徒歩12分、豊島区高田2丁目に位置する13階建て全149戸の規模。専有面積は57.77u〜97.86u、価格は未定だが、坪単価は260万円になる模様だ。竣工予定は平成24年1月中旬、設計・施工は鹿島建設。販売代理は三井不動産レジデンシャル、野村不動産アーバンネット。

 現地は、明治通りや新目白通りから一歩入った三方道路の白十字の倉庫・駐車場跡地。敷地すぐ側に、ここを起点とし椿山荘へと続く神田川の桜並木があり、都電の面影橋駅もある。少し離れているが、坪単価400万円をはるかに突破する億ションもある。そんな立地だ。

 最大の特徴は、同社の柱・梁のない「壁式免震構造HIスマートウォール」構法が採用されていることだ。建物の中央に強固な「コアウォール」を設置して耐震性を強め、構造体は壁と床だけで構成している。柱や梁がないため、床面から天井まで約2.5メートルのワイドハイサッシも可能にした。

 事前案内会を開始してから2週間、一般公開は先週の土曜・日曜からだが、用意した9テーブルはほぼ満席だという。販売担当者は、「前払い賃料を分譲価格に含めているので、月々の地代は安くなりそう」と語っている。

◇     ◆     ◇

 いつものように、分譲単価を自分なりに考えた。アクセスを考えると坪単価400万円は無理で、坪350万円ぐらいだろうとはじき出した。富裕層向けだとも思った(販売担当者から聞くまで定期借地権付きだとは知らなかった)。

 富裕層向けだと億ション住戸もかなりあるだろうと思ったが、定借にしたことで一般サラリーマンにも手が届く物件になった。これは正解だろう。少なくともこの10年間、20年間かもしれないが、鹿島は都心部で一般サラリーマンに手が届く自社分譲のマンションションを供給していないはずだ。

 小家族向けの50u台は4000万円台で購入可能だから申し込みが殺到するのではないか。ワイドスパンのプランもいい。

◇     ◆     ◇

 モデルルームをみたとたん、3年前の「加賀レジデンス」の記憶が一気に甦った。販売代理も同じ三井不動産レジデンシャルと野村不動産アーバンネットだった。一度見ているので驚嘆はしなかったが、一分の隙もない機能的な美しさには改めて目を見張った。


「桜プレイス」完成予想図

これほど美しいマンション見たことがない 鹿島「加賀」(2007/5/18)

集合住宅の最高傑作の一つ 鹿島「加賀レジデンス」完成(2008/9/16)

最近の流行に対するアンチテーゼ 鹿島「虎ノ門タワーズ レジデンス」 (2005/11/28)

(牧田 司 記者 2010年10月5日)