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 「頬擦りしたくなる」打放しコンクリート 

長谷工の「ブランシエラ浦和」ネイキッドルーム


挨拶する河村氏(背後が打放しコンクリート)


  長谷工コーポレーションが3月15日行った、日本初の長期優良住宅認定マンション「ブランシエラ浦和」のネイキッドルーム(技術展示)記者発表会でのことだ。打放しコンクリートに記者の目は吸い寄せられた。思わず触ってみた。ツルツルだった。ひび割れもムラも気泡痕も砂利のザラザラ感など全くなかった。特殊な型枠を用い、この日のために表面を研磨したのだろうと思った。

 この疑問を同社技術推進部門長期住宅企画推進室チーフスタッフ・小林仁司氏にストレートにぶつけた。そうではなかった。広報IR担当執行役員の岡田裕氏は「当社の技術担当スタッフが『ほおずりをしたいぐらい』と語ったぐらいで、私も驚いている。鏡のように蛍光灯の光が反射しているでしょう」と語った。

 もちろん、見た目の美しさだけではなかった。長期優良住宅認定基準の「劣化対策等級3」の水セメント比「50%以下」より低い「水セメント比45%以下」を採用し、ひび割れなどが起こりにくい技術を採用している。

 現場には、鉄筋の錆の原因になる中性化について、一般的なものと同社のコンクリートの60年後を想定した中性化促進実験結果が示されていた。一般的なコンクリートは中心部を除き中性化が進んでいるのに対し、同社のコンクリートは表面の数センチしか中性化が進んでいなかった。

 これ以外にも、設備配管が簡単に交換できる更新対策等級3や、廊下・バルコニーの手すりが交換できるユニット型手すり、外壁やサッシも交換できる外装システム、緩勾配排水システム、キズ・汚れに強く、メンテナンス性に優れた同社の「リノ・シリーズ」などが分かりやすく展示されていた。

 挨拶した技術推進部門担当の執行役員・河村順二氏は「ネイキッドルームは、より広く、より深く長期優良住宅を理解していただくために公開する。ビジュアルに長期優良住宅の資産価値の高さが分かっていただけるはず」と語った。

 ネイキッドルームは業界関係者や一般にも公開される。

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 同社都市開発部門住宅開発事業部事業部長・滋野克哉氏は、マンションの販売状況について触れ、「2月9日から契約を開始しているが、申し込みベースで現在、全69戸のうち44戸に申し込みが入っている。坪単価239万円で、この販売状況は駅西口のブランドマンションにも引けを取らない売れ行き」と述べた。

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 記者は、同社が1月に記者発表したとき、「早期完売しても驚かない」と書いたが、その通りになりそうだ。単価は基本性能・設備仕様レベルを考えると極めて割安感がある。ユーザーの見る目もしっかりしているということだろう。ネイキッドルームの公開によって、販売スピードは加速しそうだ。

   
左は中性化促進実験結果(左の長谷工のコンクリートは中性化が進んでおらず、右の一般的なマンションはかなり進んでいることがよく分かる)、右は外壁・サッシの交換がしやすいことについて説明する小林氏)

「価格に見合う価値あり」 長谷工「ブランシエラ浦和」(1/15)

(牧田 司 記者 2010年3月15日)