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第24回 RBA野球大会 8月1日 試合結果

最弱チーム&ヤ上 東建不販が初の決勝T進出

  
先制の3ランを放った東京建物不販・富岡

23年間で9勝しか出来なかったチームが2勝 しかもコールド勝ち

 東京建物不動産販売が参加23年で初の決勝トーナメント進出−第24回RBA野球大会水曜ブロック予選トーナメント5日目8月1日、大宮健保グラウンドで行われ、第2回大会から出場し、これまで51試合を戦い9勝42敗、勝率.176の東建不販が大和ハウスを12−3で破り初めて決勝トーナメント進出を決めた。初回、富岡が3ランを放ち、生出−小栗の新人バッテリーが3失点に抑えた。東大大学院卒の新人宮崎がスコアラーを務めて勝利をアシスト。試合後ナインは「俺たちどうなっちゃったの」とおおはしゃぎ。大和ハウスは柴田−冨永の継投が実らなかった。

  ミサワホーム東京神奈川-三井不動産リアルティは、ミサワ東京神奈川が昨年4強の三井不リアルティを3−1で下した。清水が1失点に抑え、藤原、石部が貴重な本塁打を放った。三井不リアルティは安田が力投したが一発攻勢に泣いた。

  ミサワホーム東京−野村不動産アーバンネットは、ミサワ東京がオークラヤ住宅、三井不動産リアルティを下して勢いに乗る野村不動産アーバンネットに7−4で逆転勝ち。新人海野投手が完璧リレー。兄弟揃って決勝T進出を決めた。

  ちばリハウス−長谷工アーベストは、ちばリが5−0で完封勝ち。篠原投手が2年前にアーベストに痛打を浴び敗れた借りを返した。長谷工稲垣は粘りの投球を見せたが、野手陣が守りきれなかった。

  積水ハウス−ナイスは、積水京葉が3−1で接戦を制した。生田投手が6回まで10三振を奪った。ナイスは新人の村尾が3安打に抑えたが、3失点はすべて先頭打者を出塁させたことによる失点。

  ポラス−野村リビングサポートは、ポラスが5−4で逆転勝ち。入澤が2ラン、清水が3ランを放った。得点はすべて本塁打によるもの。岩瀬が7安打を許しながら9三振を奪った。野村リビングは竹内が3ランを放ち先制したが、あと一歩及ばず。

  リスト−みずほ信不動産販売は、5回まで2−1の接戦となったが、最終回に10点を挙げたリストが12−1で大勝。岩島が満塁弾を放ち、舟山が2安打1失点完投。田中が4四球を選ぶなどチーム全体で16四死球を選んだ。相手を疲れさす戦法が奏功した。みずほは竹内投手が好投、5回まで2失点に抑えたが、最後は痛打を浴びた。6回途中まで220球を投げたが報われなかった。

  三菱地所リアルエステートサービス−中央ビル管理は、地所リアルが7−2で快勝。上下むらなく打ち、先発の落合が4回を無失点に抑えた。初陣の中央ビル管理は決勝Tの厚い壁に阻まれた。

ちばリハウス 5−0 長谷工アーベスト

1
2
3
4
合 計
ちばリハウス        
長谷工アーベスト        
(5回時間切れ)

ポラス 5−4 野村リビングサービス

1
2
3
4
合 計
ポラス      
野村リビングサポート      
(6回時間切れ)

積水ハウス京葉 3−1 ナイス

1
2
3
4
合 計
積水ハウス京葉      
ナイス      
(6回時間切れ)

三菱地所リアルエステートサービス 7−2 中央ビル管理

1
2
3
4
合 計
三菱地所リアルエステートサービス        
中央ビル管理        
(5回時間切れ)

野村不動産アーバンネット 4−7 ミサワホーム東京

1
2
3
4
合 計
野村不動産アーバンネット        
ミサワホーム東京        
(5回時間切れ)

東京建物不動産販売 12−3 大和ハウス工業

1
2
3
4
合 計
東京建物不動産販売         12
大和ハウス工業        
(5回コールド)

リスト 12−1 みずほ信不動産販売

1
2
3
4
合 計
リスト 10       12
みずほ信不動産販売      
(6回時間切れ)

ミサワホーム東京神奈川 3−1 三井不動産リアルティ

1
2
3
4
合 計
ミサワホーム東京神奈川      
三井不動産リアルティ      
(6回時間切れ)

東建不販のスコアラーは東大大学院卒の新人宮崎さん


23年間の主戦投手を務めてきた稲富(左)と宮崎スコアラー

 出ると負け≠フ繰り返しで、23年間で戦った試合は旭化成ホームズの約40%の51試合しかなく、勝った試合は旭化成の10%未満の9試合しかない、RBA最弱チーム東建不販が初めて決勝T進出を決めた。驚くべきことはまだある。チームで初めてスコアをつけるようになったのだが、そのスコアラーには東大大学院卒の宮崎さん(25)を起用した。宮崎さんはボディビルはやっていたそうだが、野球経験は全くない。野球部に入って一晩でスコアのつけ方を覚えたという。

 大学での専攻は日本史で、同社への入社については「文系の就職先などない。非常に厳しい。東京建物だって入るのに大変だった」と話した。宅建は学生のとき取得しており、40点をとったという。現在は法人仲介担当だ。

◇    ◆    ◇

 RBA野球大会の一部の試合のスコアは明大軟式野球部マネージャー平山さんにつけてもらっているが、それと比べていただきたい。当然とはいえ、平山さんのスコアは完璧だ。頼んだわけではないが、ボールペンは黒と赤と緑の3色に分け、コメントも書き込まれている。非常に分かりやすい。宮崎さんのはそこまでではないが、一晩でマスターしたとはさすがだ。

 もう一人、RBAのプロ仕込みのすごいスコアラーを紹介する。リストの阿部さんだ。特徴は四死球なども赤字で記入していることで、これはロッテ、西武などで活躍した元プロの倉持監督の指示によるものだ。字もきれいでこれも完璧だ。今日の試合のリストの舟山が60球投げたのに対し、相手のみずほの竹内投手が220球という数字もすぐはじき出した。

 記者は中学のときにスコアをつけ始めたが、スコアをつけると敵味方の長所短所がすべて見えてくる。選手の性格までわかるようになる。RBAで正確にスコアをつけているのは今大会に出場している53チームのうち20チームもない。これは残念なことだ。仕事も家計も同じだ。営業が売上の数字を意識しなければ絶対に成績は上がらないし、家計簿をつけなければ絶対に節約など出来ないだろう。

◇    ◆    ◇

 東建不販に話を戻す。これまでこのチームがスコアをつけていたことなど見たことがない。勝とうが負けようが(勝つことなどなかったが)どうでもいいように見えた。どうしてここまで変わったのか。これはいずれ取材したいが、今年はオープン戦もやった。最年長だと思うが、52歳の中島は「俺が投げるかも」と意欲を見せていた。

 「中島が投げるようでは今年も勝てない」と思ったが、中島と同様、23年間ずっと投げつづけてきた稲富は「久々にいい新人が入った」と明かしたのが生出(オイズル)と小栗だった。

 その2人の活躍がチームを一変させた。あの大和ハウスの好投手トミー(冨永)から下位打線がボールにバットを当てたばかりかヒットも打った。これには驚いた。宮崎さんをスコアラーにしたのもナインの意識が変わったからだろう。この前、積水ハウス京葉に敗れたときは、神宮に戻ってバッティングセンターでみんな打ち込みをしたという力の入れようだ。

 もうひとつ付け加えれば、ナインのうち水曜が定休日の選手はこの日、2人しかいなかった。みんな土曜、日曜日が休みで、試合のある日は有給休暇を取って出場しているのだという。いい会社ではないか。企業は社員の自己実現の活動をもっと支援すべきだ。

 大和ハウスには悪いが、そんなチームが勝ち上がるなんて素晴らしい。誰かが「データ野球だ」と試合後に茶化したが、宮崎さんのスコアを分析し生かせる技術も備わるよう頑張って欲しい。あの旭化成ホームズだって、最初のころは強豪チームにコールド負けを繰り返していた。今の旭化成ホームズのスコアも完璧なのは言うまでもないし、鈴木監督はメモ魔だ。

  
左から宮崎さん、平山さん、阿部さんがつけたスコア


(牧田 司記者 2012年8月1日)

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