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「環境」「防災」「コミュニティ」で育む絆がテーマ

三井不動産レジデンシャル「パークシティ南浦和」


「パークシティ南浦和」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルは3月6日、浦和エリアでは初で埼玉県内では4物件目の環境創造型の大規模マンション「パークシティ南浦和」(総戸数211戸)の記者見学会を開き、第1期1次販売を3月8日(木)に開始すると発表した。

 物件は、JR京浜東北線・JR武蔵野線南浦和駅から徒歩10分、さいたま市南区南浦和3丁目に位置する15階建て全211戸の規模。専有面積は68.44〜93.13u、1期(100戸以上)の価格は3,890万〜5,780万円、1期の坪単価は192万円。竣工予定は平成25年1月上旬。設計・施工は大林組。敷地は大林組の社宅跡地。

 1月下旬からモデルルームを公開しており、これまで資料請求は1,200件、来場者は約350件に上っている。

 「環境」「防災」「コミュニティ」をそれぞれ育む絆がテーマになっており、太陽光発電・蓄電池システム(埼玉県マンション初採用)をはじめとする環境対応と防災対策の連動や、エネルギーをセーブするパッシブデザインなどを積極的に導入。「All Living」という発想のもと、共有をテーマとした入居者同士のコミュニティ形成をめざした共用施設や住戸プランなどを採り入れ、大きな「絆」につながっていく街づくりを提案している。

 「環境で育む絆」では、「太陽光発電システム」「蓄電池」「雨水再利用システム」「EV カーシェアリング」「シェアサイクル」「セーブ・アース・ディスプレイ」「クーリングミスト」「パッシブウインドウ」など、環境に対する気付きやコミュニティを大切にする様々な環境対応を計画している。

 「防災で育む絆」では、「防災拠点の想定」「 EV カーシェアリングの非常時活用」「太陽光発電システム」「蓄電池」「独立給水」「マンホールトイレ」「防災備蓄」など、入居者同士のつながりを育む防災対策を施す。

 「コミュニティで育む絆」では、「リビングサークル(中庭)」「リビングプラザ(集会室)」「菜園コート」などの入居者のつながりを高める共用施設や、環境に配慮しながらコミュニティの形成を図る「生活グッズシェアリング」「おさがりプロジェクト」などの仕組みも用意する。

 記者発表会で挨拶した同社執行役員都市開発第三部長・本藤忠氏は3つの特徴について触れ、「1点目は環境に配慮した大規模マンションブランドの『パークシティ』は浦和エリアで初、埼玉県で4番目ということ。2点目はハードだけでなく、ソフトの面でコミュニティをつくる試みを提案したこと。3つ目は浦和エリアでの底堅い需要を感じており、目標をはるかに超える集客ができている点だ。1期分譲は100戸を上回る戸数を予定しており、完売のめどもたった」と販売に自信を見せた。


リビングサークル(中庭をリビングとして取り込む試み)

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 記者の関心事の一つは、この物件と野村不動産が分譲予定の「プラウドシティ浦和」(492戸)との競合だ。お互いが南浦和駅から同じぐらいの距離圏で、野村の物件は浦和駅へも徒歩12分と歩ける立地にある。

 野村不動産の物件を見学した1月の時点では、「戸数の多さ、駅からのアクセスを考えると坪単価は190万円ぐらいではないか。あるいは早期完売を狙って180万円台の前半に落ち着くケースも考えたい」と書いたが、どうやら後者のようで180万円ぐらいに落ち着く模様だ。三井不動産レジデンシャルの物件も1期は192万円の単価だが、これは南向き住戸が中心で、未分譲の東向きなどを含めると平均単価はやや下がりそうだ。

 大手がこのように競合して低めの価格設定をすることはユーザーにとって結構なことだ。高いレベルでの競争が期待できるからだ。

 野村不動産との競合について三井不動産レジデンシャルの都市開発三部開発室主管・福原慎一氏は、「当社の物件は駅からフラットで、舗道もよく整備されており、住環境のよさが評価されている」と語った。記者も、現地までのアクセスは三井の物件が勝ると思う。交通量も多くないし、小公園がいくつもある。

◇    ◆    ◇

 環境共生の取り組みは、先に紹介した通りだが、同社の「住まいのECOチャレンジ」を紹介しておきたい。同社がこの「住まいのECOチャレンジ」のWebを開設したのは2年前だが、記者はその内容をよく理解していなかった。電気、ガス、水道の使用量ぐらいしか見える化≠オていないのだろうと思っていたが、環境家計簿にはこのほか軽油、灯油、ガソリン、カーボンオフセットなども盛り込まれている。また「あげます」「ください」など不用品情報もやり取りできるようになっている。

 操作の仕方がわからない記者のようなアナログ人間でもすごいことだと思う。そこまでやるなら、さらに耐久消費財、日用品なども数値化し、さらに食材のカロリー計算まですれは生活習慣病も大幅に減らせるのではないか。

 「住まいのECOチャレンジ」は、誰でも無料で利用できる。アドレスは次の通り。http://www.sumai-challenge.com/

 販売事務所では、1カ月当たりの3人家族の生ゴミの量がビニール袋の重さで量れるようになっていた。これはいい。一人当たり7.5キロを捨てていると知って、その重さに驚いた。記者は、そもそもそんなに食べないし、イワシなどは丸ごと食べるし出されたものは残さないようにしているからそんなに捨てていないと思うがどうだろう。

   
家庭内のエネルギー消費量を表示するセーブ・アース・ディスプレイ(左)と鉢植えなどが吊り下げられるオープンポーチ

ランドスケープデザイン秀 野村不動産「プラウドシティ浦和」(1/12)

(牧田 司記者 2012年3月6日)