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 記者が選んだ2012年 ベスト3マンション

  記者が選んだ2012年 話題のマンション

湾岸 逆風に抗して
三井不動産レジデンシャル「パークタワー東雲」
三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス晴海 タワーズ」

 さて、ベスト3マンションについては先に紹介したとおりだ。すべて大手デベロッパーの物件になってしまったが、ベスト3を除いた物件で最初に取り上げたいのはやはり湾岸マンションだ。東日本大震災の直後、新浦安、千葉市美浜区、豊洲、晴海、有明、辰己などの湾岸の液状化の被害状況を見て回った印象では、液状化対策を施せばマンションそのものへの被害は心配ないと思ったが、電気、ガス、水道などのインフラ被害や道路の断裂などを考えると湾岸マンションはかなり苦戦を強いられると思った。

 しかし、その懸念を見事に振り払ったのが、野村不動産「プラウドタワー東雲キャナルコート」(600戸)と三井不動産レジデンシャル「パークタワー東雲」(583戸)だ。

 野村不動産の物件は昨年末からの分譲なので詳細は省くが、残りは数十戸ではないか。三井不動産レジデンシャルの物件は、野村の物件に負けず劣らずレベルの高いマンションだ。長期優良住宅認定と都の「マンション環境性能評価」制度で星3つを獲得しているほか、免震工法を採用し、大容量の太陽光発電、非常用発電施設を設置し非常時のライフラインの確保を図っている。躯体に光と風を取り込む「エコボイド」の設置や、階高を3400ミリ確保しているように住戸プランも優れている。年度を代表するマンションの一つだ。

 もう一つの湾岸マンションは、三菱地所レジデンス・鹿島建設「ザ・パークハウス晴海タワーズ」(883戸)だ。鹿島の免震を採用しているほか、世界的な建築家のリチャード・マイヤー氏を起用したデザイン、都市農山村交流「空と土プロジェクト」と連携したコミュニティ形成などハード・ソフト両面の充実を図っているのが特徴だ。

 「東雲」や「豊洲」が江東区アドレスであるのに対し、こちらは「中央区」だ。276万円という単価は極めて低いと記者は考えている。 2016年のオリンピック誘致が決まっていれば坪単価は300万円を突破していたはずだし、マンションのナビゲーターとしてCMに登場していたプロゴルファー石川遼選手が契約を締結した直後から勝てなかったのも誤算の一つか。それでも今年を代表するマンションの一つには違いない。

見所多い 三井不レジ「パークタワー東雲」(10/24)

三菱・鹿島「ザ・パークハウス晴海」モデルオープンへ(12/7)

(牧田 司記者 2012年12月28日)