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NTT都市開発など「ウェリス稲毛」 「はぐむプロジェクト」概要発表


住民がつくるピザ窯イメージ

 

 NTT都市開発、大和ハウス工業、大成建設、新日本建設、三信住建の5社は来春分譲する大規模マンション「ウェリス稲毛」に採用するコミュニティ形成のための「はぐむプロジェクト」の概要を発表した。マンションのランドスケープデザインの企画監修を担当する「デザインショップまちや」の協力を得て実施するもので、ピザ窯づくりや米づくり収穫祭、野菜づくり教室、サマーガーデンコンサートなど盛りだくさんな内容になっている。5社はまた、マンションの購入時と入居後の意識に関するアンケート調査も実施し、入居後は「人付き合い」を重視することが分かったと発表した。

 「はぐむプロジェクト」は、つかず離れず≠フ程よい距離感を保ちながら人付き合いをしたいというアンケート結果を踏まえてプログラムを組んだもので、運営に当たっては「デザインショップまちや」がサポートしていく。

 主なプログラムは「サマーガーデンイベント」「各種セミナー」「防災プログラム」などのほか、「ピザパーティ」「樹と親しむワークショップ」「米づくり収穫祭」「アートワークショップ」「野菜づくり教室」「親子自然探偵団」など。

 アンケート調査では、マンション購入時における重視ポイントは「価格」「間取り」「立地」などが上位にランクされる一方で、入居後に重要視するのは「人付き合い」「入居者サポートサービス」「災害に強い立地」などで、入居前と比べ 2 倍前後にポイントがアップすることがわかった。

 「ウェリス稲毛」は、JR稲毛駅から徒歩5分の14階建て全929戸の大規模マンション。専有面積は70.07〜101.87u。施工は大成・新日本共同企業体。入居開始は平成26年3月下旬〜27年3月下旬。

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 物件の記者発表会もあるようだから、しっかりレポートしたい。もちろん、基本性能、その他のマンションの商品企画が売れ行きを左右するのは言うまでもない。 

 「コミュニティ形成」の取り組みを重視するのは大歓迎だ。コミュニティを重視したマンションはここ10年来増えているものだが、これほど多くのプログラムを用意しているのは聞いたことがない。南房総の棚田で田植えから収穫まで行ったり、敷地内の雑木林の観察や丸太切りなども行うという。

 これらのイベント・プログラムは旗振りがいないと動かない。その意味で、「デザインショップまちや」の果たす役割は大きい。当然、ボランティアというわけにはいかないが、これだけの大所帯であれば管理費に組み込もうと別会計にしようと入居者が負担する金額は月額数百円で済むはずだ。

 マンション管理組合のコミュニティ活動については、いま国交省の「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」で激しい論議が展開されており、「区分所有法の主旨からしてコミュニティ活動は組合活動から分離すべき」と主張する専門家≠竓w者先生もいる。この記事は一般の方も読まれるのだろうから、興味のある人は別掲の記事もぜひ読んでいただきたい。

迷走する「マンションの新たな管理ルール検討会」(8/30)

(牧田 司記者 2012年12月14日)