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丸紅「グランスイート麻布台ヒルトップタワー」 レベル高い億ション


「グランスイート麻布台ヒルトップタワー」完成予想図

 丸紅が来年2月に分譲予定の「グランスイート麻布台ヒルトップタワー」を見学した。モデルルームは億ションだが、レベルはトップクラスだと思う。

 物件は、東京メトロ南北線 六本木一丁目駅から徒歩7分、または都営大江戸線麻布十番駅から徒歩8分、港区麻布台三丁目に位置する29階建て全166戸の規模。専有面積は40.10〜134.17u、価格は未定だが、坪単価は485万円ぐらいになる模様だ。竣工予定は平成26年3月。設計・監理・施工は大林組。販売代理は丸紅不動産販売、三井不動産レジデンシャル。

 現地は、外苑東通りに面し、道路を挟んだ対面には外務省飯倉公館と昭和5年竣工の歴史的建造物にしてもいいような麻布郵便局がある。敷地の東側にはロシア大使館、東京アメリカンクラブががあり、その先は東京タワーや増上寺、プリンスのホテルの緑が連なっている。南側はまだ戸建ても残る麻布狸穴の住宅街。西側は六本木ヒルズ、北側はアークヒルズ、ホテルオークラと東京ミッドタウンが広がる。周辺には高い建物がないため、これらのエリアが一望できる絶好の立地にある。

 テーマは「JAPANABILITY」、つまり「JAPAN」と「ABILITY (可能性)」を組み合わせた造語だ。外観は縦格子を強調するとともに、一部には灯篭をイメージしたガラスが採用されている。基壇部は大谷石や御影石など自然石を多用し、水墨画のイメージを演出したという。

 モデルルームデザインは三井デザインテックが担当。134uと89uの2種類。オプション仕様も多いが、自然石をふんだんに用い、建具・面材に樺桜やサペリなどを採用。ナグリ仕上げのリビング扉のほか、ハンマートン、焼き物壁、スチールパーティション、レザー把手などが美しい。建物は大林組の制震構造を採用している。


大谷石の壁

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 丸紅の億ションを見るのは5年前の「グランスイート六番町」以来だが、今回の物件も間違いなくレベルは高い。全166戸のうち億住戸は半分もないかもしれないが、その価値はあるとみた。同社の販売担当者は周辺の物件よりむしろ「飯田橋」「四番町」などの物件と競合するとみているようだ。もちろん、東急不動産「ブランズ麻布狸穴町」と激突するのは必至だ。敷地南側の三菱地所レジデンスの賃貸マンションは6階建てになる模様で、日照・眺望の影響はさほど受けない。

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 モデルルームにはワインセラーが設けられており、キューバ産のコイーバだのモンテクリストだのオリヴァだの1本数千円から万単位の葉巻も置かれていた。その隣には約5.1畳大のウェイティングルームもあり、ここに座って何時間も高級葉巻をくゆらせながら麻布の夜景を眺める富裕層と、キッチンの換気扇に向かって1本約20円のタバコを吸うわが身の違いを痛いほど感じさせられた。葉巻については好きな作家の一人、宮本輝氏が薀蓄をたれる小説だかエッセーがあったのを思い出した。

  
ホール                             リビングダイニング

アドレスは「港区麻布狸穴町」東急不「ブランズ麻布狸穴町」(11/15)

(牧田 司記者 2012年11月30日)