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三井ホーム 環境型住宅をさらに進化させた

「green'sU( グリーンズU)」発売


「green'sU( グリーンズU)」イメージ図

 三井ホームは10月26日、記者発表会を行い、昨年4月に発売した環境型住宅「green's( グリーンズ)」を進化させた新商品「green'sU( グリーンズU)」を10月27日から沖縄を除く全国で発売すると発表した。

 「green'sU( グリーンズU)」は、「green's( グリーンズ )」をベースとし、最新のアクティブ技術を取り入れ、高い環境性能を持つ「プレミアムエコ仕様」を標準採用。また、柏の葉実証実験住宅「 MIDEAS (ミディアス)」 と同様に質感・素材感がある外観デザインを取り入れ、グリーンバルコニーや庭から考える家づくり「スマートガーデンズ」なども提案している。

 外観に自然素材の塗り壁、木材、石材を用いているほか、木製サッシにはLOW−E ・アルゴンガス入りガラスを採用。また、住まいのトータル空調システムや大容量の蓄電池、EVを蓄電池として活用できる蓄電システムなどを採用している。

 モデルプラン(延床面積206.59u)の価格は54,470,850円(坪単価87.1万円)。スマート2×4仕様(太陽光発電システム6.50KW 、 家庭用蓄電システム5.53KWh、ECOマネシステム、EV コンセント設備、プレミアムエコ仕様、トータル空調システム「スマートブリーズ」)を含む。

   
「ブリーズステーション」 (左)とシンボルツリー&フラットコート

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 記者発表会である木材関係の記者が国産材の採用について質問したのに注目した。その記者の質問には構造躯体などにもっと国産材を採用すべき≠ニいう意が込められていると記者は勝手に解釈した。この質問に答えて、同社商品開発部長・吉澤敏幸氏は「フローリングやウッドデッキなどには三井不動産の社有林の木材を採用しているが、構造材の多くはカナダ産。最近は国産材の供給体制ができつつあり、補助金を出している自治体もあるが、問題はプライス、コスト。圧倒的に違う」と、難しい問題もあると語った。

 その通りだと思う。外材と国産材は比較にならないほど価格が異なる。わが国の木材の生産コストは、北欧と比べると数倍だと言う。「国産材を外材と競争させようということなどなど考えないほうがいい」と言いきる専門家もいるぐらいだ。

 しかし、それでも記者は国産材を使う努力を行うべきだと思う。わが国の森林・林業は危機的状況にあるといわれるし、寒村出身の記者もそう思う。森林・林業を再生しないと、この先、わが国は立ち行かなくなると危惧する。経済的損出を言っているのではない。間違いなく美しい山も川も醜悪な姿になるだろうし、日本人の美しい心、文化そのものも崩壊する。

 手遅れにならないためにも、国産材の活用を図るべきだ。記者は専門家ではないが、手っ取り早いのは国産材の採用を阻む不合理な規制を緩和することだと思う。いい例がいま問題になっている間仕切壁の大臣認定不適合問題だ。この問題でいったい何件の建基法違反が表沙汰になるのか。大臣認定不適合ではなく「大臣認定不合理」に置き換えるべきだ。

 尖閣も竹島も大事かもしれないが、もっとわが国の森林・林業に目を向ける必要がある。美しい全国の山がほかでもない日本人によって破壊されようとしているのだ。

 先日、三菱地所グループの「空と土プロジェクト」の取材で山梨県の美しい県有林を散策したときだ。自然の冷蔵庫とも言うべき冷たいせせらぎが流れていた。記者は手に掬って飲もうとした。しかし、現地の案内役の人から「飲まないほうがいい。シカの糞やらで大腸菌がうじゃうじゃいるかもしれないと」言われた。絶句した。小さい頃は、せせらぎの水でお茶を沸かし、のどが渇けばそのまま飲んだ。当時、山の水を飲んで腹をこわしたという話は聞いたことがない。

 いまわれわれが買って飲んでいる「水」はすべて加熱殺菌されているそうだ。ということは、何の処理もしていない本物のおいしい水を飲んでいるのは害獣≠セけということになりはしないか。(加熱処理してもおいしさは変わらないとはいわれているが…)

三井ホーム・三井不 次世代スマート2×4 実証実験住宅(9/10)

(牧田 司記者 2012年10月26日)