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三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス渋谷美竹」

「ルンバに頼らなくても売れる」

 
動き出す「ルンバ」(左)とカーペットの周りを掃除する「ルンバ」

 三菱地所レジデンスが明日(10月6日)からモデルルームをオープンする「ザ・パークハウス渋谷美竹」を見学した。このマンションについては、同社が先にニュースリリースしており、そのときも記事にしたのでそれを参照していただきたい。取材の目的は、ロボット掃除機「ルンバ対応型モデルルーム」なるものがどのようなものか、本当に「ルンバ」に頼らないと売れないマンションなのかどうかを確認することだった。

 まず、「ルンバ対応型モデルルーム」についてだが、構造躯体・設備仕様的にはとくに「ルンバ」が動きやすいようにはなっていない。もともと最近のマンションはほとんどバリアフリーだし、住戸内に段差があるマンションなど皆無だ。工夫を凝らしているのは家具類で、「ルンバ」が入りやすいようなベッド、その他の家具が配置されていた。

 「ルンバに頼らなければ売れないか」という問題については、結論は「NO」だと思う。販売を担当する同社・立花篤史氏も「まぁ、ルンバは一つの話題づくりでして、もちろんルンバに頼らないと売れないとは思っていません。ルンバは私の家でも使っています。私が買ったのではなく、かみさんが買ったのですが、外出時などは便利です。指示を出せば室内全体を掃除します。それでも1週間に1度ぐらいはちゃんと掃除しています」と話した。当たり前だが、「閉まっているドアは開けられない」とのことだ。

 「渋谷」は、メジャー7の「住みたい街」ランキングで昨年21位から今年は15位に浮上したように、「ヒカリエ」効果もあって若い女性に人気なのだろう。また、定借は高単価のエリアでこそ最大の効果を発揮するので、渋谷エリアは最適だと思う。

 坪単価は先に「300万円近い」と書いたが、これは320万円に訂正する。月額賃料は16,000円前後になる模様だ。モデるルームの設備仕様としては、引き戸は全て開閉両サイドがソフトクローズ機能付き。

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 同社はタレントマンション≠ノ積極的だが、「アフタヌーンティ」に始まり「無印商品」「ベンツ」、そして今回の「ルンバ」と、異業種とのコラボでも他社をリードしている。他では、三井不動産レジデンシャルは「武蔵小杉」で「TODAY'S SPECIAL」と、野村不動産は「東雲」で「UNITED ARROWS」、「綱島」でパナソニックとそれぞれコラボした。ユニクロとビックカメラとコラボしたのが人気になっているそうだから、何が飛び出してきても不思議でないか。マンションも流れはタレントマンション≠ゥら異業種とのコラボに移ってきているのかもしれない。

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 モデルルームで「ルンバ」を体験した。動かし方が分からなかったが、専用の充電・収納スペースに鎮座していたので無理やり引っ張ってみた。すると、「ブーン」と音を出し、なにやら羽のようなものを出しながらカーペット、座椅子の周りを動き回り、2〜3分でもとの位置に戻った。

 その動きは、記者には不承不承としか映らず、嬉々としてご主人の代わりに掃除をするロボットには見えなかった。これは、記者の強引なやり方が気に入らなかったのか、それとも働きすぎで動けなくなっていたのかもしれないし、掃除などしなくてもきれいに保たれているとロボット自身が判断したのだろう。

 ロボットを見ながら考えたのは、掃除もいいが不在のときに異常を感知し、闖入者を発見したら吠えたり催涙スプレーで撃退したりするとか、火災が発生したら自分で消火活動をしたり、警察・消防に通報するロボットがあったらいいのではないかということだ。坪単価300万円もする高単価のマンションを買える単身者・DINKSなら関心を示すのではないか。

 しかし、そんなものを開発したら益々結婚しない女性が増えるのではないかと心配にもなってくる。せいぜいペット代わりぐらいのままでいいのかもしれない。また、酷使されると不平不満の声ををあげるロボットがあってもいい。

ルンバが動きやすい?地所レジ「渋谷美竹」モデル(10/2)

(牧田 司記者 2012年10月5日)